働く女性がかかえる「仕事の悩み」。キャリアコンサルタントの答えとは

女性の就業率は年々上がる一方ですが、その裏で出産・育児といったライフイベントの問題や、キャリアアップの問題など、さまざまな悩みを抱えている女性も少なくありません。

女性が働きやすい環境がまだ十分に整っていない日本の就労環境の中で、働く女性はいったいどんな悩みをかかえ、どのような方法で課題を解決していけばいいのでしょうか?

女性が働きやすくなるためのヒントについて、ご紹介しましょう。

この記事を書いた人
伊藤 樹理

キャリアコンサルタント

企業・病院・学校・施設などの取材を500件以上経験。そこで得る感動を財産として、これからの企業の「働き方」や「組織改革」、働く人の「キャリア形成」を見つめます。

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目次

ライフステージによって違う、女性の仕事の悩み

■独身時代の女性の悩み

「男性と同じようにキャリアアップできない」

日本企業はいまだに女性の活用に消極的なところが多く、「女性は出産・育児の期間があるから、重要な仕事は任せられない」と考え、管理職に起用しないケースが少なからずあります。

職種によっては、「任せたくても任せられない」という場合もあるでしょう。

しかし、高い能力と実行力を持ち、これからバリバリ働きたいと考えている独身女性にとって、それは屈辱でしかありません。

会社から期待されないためにモチベーションを高く持つことができず、将来のキャリアプランが描けずに、落ち込んでしまう人もいます。

■子育て中の女性の悩み

「育児や家事と両立するのが難しい」

女性が結婚・出産すると、今度はキャリアアップどころではなく、日々の生活が大変になります。

仕事に家事に子育てにと、かかえきれないほどのやることを抱えて、多くの働く女性が両立に悩んでいます。

育児も家事もそれなりに時間と労力がかかる作業なので、まさに一人で二人分ぐらいの仕事をこなしている女性も多いでしょう。

中には、子どものお風呂も食事もすべて一人で背負う「ワンオペ育児」をしている女性もいます。その忙しさは想像を絶するものがあり、過労とストレスで鬱状態になってしまう人もいるなど、社会問題となっています。

■子育てが一段落した後の女性の悩み

「これからの仕事に目標が持てない」

子どもがある程度大きくなって手がかからなくなると、ようやくじっくりと働ける時期を迎えます。

本来であれば「これからが自分の活躍のとき!」と思いたいところですが、女性は出産・育児にあまりにも大きなエネルギーを注ぐため、40代ぐらいになった時点ですでにキャリアの道筋から離れてしまっている人もいます。

さらに40代後半になってくると、年齢的にリストラの対象となったり、「同じような仕事を任せるなら若い女性の方がいい」と周囲から疎まれるなど、居心地のよくない状況に追いやられるケースもあるのが現実です。

また、親の介護をしなければならない人や、キツい立場の要職に就いてプレッシャーを感じる人、自身が病気をして仕事を続けられなくなる人など、個々の事情によってさまざまなライフステージに置かれるのもこの時期です。

女性の仕事に対する悩みを解決する方法とは?

まず「自分はどうしたいのか?」を考えてみる

では、こうした女性ならではの仕事の悩みを解決するには、どうしたらいいのでしょうか?

仕事の悩みを解決する上で一番大事なことは、「自分はこれから何をやりたいのか?」を明確にすることです。

たとえば、「自分はバリバリ働きたいのに、会社が認めてくれない」という悩みを持っていたとしましょう。

そんな悩みを持っていても、「スタッフがいい人ばかりなので、このまま勤め続けたい」と思えるのなら、自分はそこに一番の価値を見出しているということです。

逆に「このままでは終わりたくない!もっとキャリアアップしたい」と考えるのであれば、いまの会社にいることは意にそぐわないことになるので、転職も視野に入れる必要が出てくるでしょう。

今後のキャリアプランを立てる

自分のキャリアプランをしっかりと立てて計画的に行動することは、仕事の悩みを解決する上で非常に重要なことです。

特に女性は、キャリアアップの真っ只中に妊娠・出産・育児という人生のメインイベントが控えているため、極めて注意深く計画を立てる必要があるでしょう。

たとえばアパレルの販売職をしている人が、育休後に復帰したくても日曜日に子どもを預けられず、仕方なくスーパーの平日パートに変わるといったケースもあります。

計画的に行動しないと、このような事態が往々にして起こり得るのです。

20代の若いうちからしっかりとキャリアプランを立てておけば、このようなことで悩む必要もありません。

「出産後は販売職ができなくなるから、今のうちに平日勤務の営業職にキャリアチェンジしておこう」というように、計画的に動くことができるからです。

「自分一人ではキャリアプランを考えられない」という人は、キャリアコンサルタントなどのプロに相談することで、心の整理ができるかもしれません。

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上司や人事担当者などとじっくり話し合ってみる

仕事のことで悩んでいる女性の中には、一番の相談相手であるはずの上司に何も相談せず、一人であれこれ考えて無限ループに入ってしまっている人がいます。

一人で問題を抱え込むのではなく、まずは上司に「悩んでいることがあるのですが」と相談し、じっくりと話し合ってみましょう。

それによってお互いが歩み寄れる部分や、会社として配慮してもらえる部分が見つかる可能性も出てきます。

「まさに上司のことで悩んでいるので、相談できない」という場合は、人事担当者に相談するのも、ひとつの方法です。

また、鬱状態になっているなど、メンタル不調に陥っていると感じているなら、産業医に相談するという選択肢もあります。

家事を見直してみる

働く女性にとって、家事の負担が重荷になっているケースも、非常に多く見られます。この重荷を軽くするだけでも、女性にとってかなりのストレス解消になるでしょう。

もちろん家事だけでなく、育児の負担も大きいのですが、育児に関しては手をかけることが大切なので、手間を省くことができません。

そうなると、省くことができるのは家事しかないということになります。

まずは「家事時間をいかに短縮できるか?」に注力することを、おすすめします。

たとえば特に時間のかかる調理は、時短調理キットや時短調理器具をフル活用し、食洗器やお掃除ロボットなども大いに利用しましょう。

それでも時間が足りないときは、多少の出費を覚悟で家事代行サービスを利用するのも、検討材料のひとつかもしれません。

できるだけストレスをためないようにしましょう!

キャリアアップできない悩みを持つ女性や、仕事と家庭の両立に悩む女性、将来の目標を持てない女性は、とてもたくさんいます。中には大きなストレスを抱え込んで、鬱状態になってしまうケースもあり、そうなる前に一日も早く解決をすることが大切です。

家事の見直しについては、夫と分担することも必要ですが、その点は十分に注意しましょう。そもそも日本は夫もギリギリの状態で働いているケースが多く、「残業して帰ってきてから食器を洗うのか?」というようなことで、口論になってしまう危険性もあるからです。

「子どもが生まれてから夫婦喧嘩が多くなった」というご夫婦の中には、家事の大変さが間接的な原因となっているケースも多いのではと、筆者は考えます。子育てにとって何より大切なのは夫婦の調和なので、くれぐれもそこは崩さないようにしつつ、家事の分担を工夫しましょう。

女性が社会で長く活躍するために最も大切なことは、できるだけストレスをためないようにすることです。ときにはいい加減に家事を終わらせる自分も許してあげて、仕事を楽しむことと、笑いのある家庭を作ることを優先させましょう。

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