後輩指導で大切なことは?上手い人の心構え7選と、「しんどい」を力量・任され方・評価で切り分ける方法

後輩指導は、中堅社員の大切な役割・業務の一つです。しかし、いざ指導する立場になると「後輩への接し方がわからない」「指導方法が合っているのか不安」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、後輩指導を行う際の心構えや気を付けたいこと、困ったときの悩み別対処法を紹介します。後輩と良好な関係を築きながら、成長を効果的にサポートしましょう!
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後輩指導が上手い人は何をしているか|7つの心構えの前にやっていること
後輩指導で大切なことを聞かれると、多くの人は「伝え方」や「褒め方」といった接し方を思い浮かべます。ただ、指導が上手い人を観察すると、接し方よりも前の段階で決めていることがあります。どこまでが自分の担当で、どこからが担当ではないのかという線引きです。
上手い人がやっているのは、おおむね次の順番です。
- ①引き受ける範囲を決める:何をどこまで教えるのか、自分が持つのはどの業務までかを先に確認する
- ②伝える順番を決める:全部を一度に渡さず、今週必要なことだけに絞る
- ③接し方を工夫する:ここでようやく、説明の仕方や声のかけ方の話になる
多くの人は③から始めてしまいます。説明を工夫しても手応えが出ないとき、原因は説明の質ではなく、①が決まっていないことにあります。
後輩指導がしんどいのは、あなたの指導力が足りないからではなく、どこまでが自分の担当かという線引きを、任されたときに誰も決めていないからです。
そのうえで、接し方の具体的な中身が次の7つの心構えです。
後輩の指導で大切なこととは?7つの心構え

新入社員や新しく部署に配属された社員を適切に育成するためには、後輩の立場に立った指導が大切です。
具体的な後輩指導の際の心構えは、以下の7つがあげられます。
- 社員の模範を目指す
- わかりやすい説明を心がける
- 業務に取り組むうえで必要な情報はもれなく伝える
- 後輩を理解する姿勢を持つ
- 後輩のモチベーションが上がる声かけをする
- 注意をするときは伝え方を工夫する
- フィードバックを丁寧に行う
順に説明します。
社員の模範を目指す
指導内容が正しくても普段の業務姿勢が良くなければ、後輩からの信頼は得られません。後輩は先輩の業務の進め方だけでなく、話し方や立ち振る舞いなども見ています。後輩指導を行う前に、まずは自分の仕事への姿勢や言動を振り返って改善点があれば直しましょう。
日ごろから心がけたいことは、以下があげられます。
- 仕事に対して積極的かつ前向きに取り組む
- 会社や他の社員の悪口を言わない
- 自分がミスをしたら、後輩や部下であってもきちんと謝罪する
- 威圧的、または上から目線の態度を取らず、話しかけやすい雰囲気を心がける
後輩が「こんな社員を目指したい」と思える先輩・上司を目指しましょう。
わかりやすい説明を心がける
はじめて業務に当たる後輩は、わからないことだらけで不安を抱えています。先輩が業務を一つずつわかりやすく説明することで、後輩の仕事への理解度が増し、安心して業務に取り組めます。
以下のことを意識して、指導に当たりましょう。
- 専門用語を多用しない(専門用語を使う時は、その言葉の意味も伝える)
- 指示をする際は「5W1H」で具体的に説明する
- 見本を見せる
- 一度にすべての業務を教え込もうとしない
- 後輩が理解できているか、こまめに確認する
特に重要なのは、後輩が理解できているか確認することです。区切りの良いところで、「ここまでで質問はある?」とこまめに聞きましょう。「わからないこと」が悪いのではなく、「わからないことを聞けない状態」が良くないと心にとめて説明をしましょう。
そのため、説明後に「実際にやってみて、わからないことがあったらいつでも聞いてね」と声をかけることも大切です。
業務に取り組むうえで必要な情報はもれなく伝える
後輩に業務を説明する際には、業務内容や進め方だけでなく、業務に取り組むうえで知っておいた方が良い情報も伝えましょう。具体的には、以下があげられます。
- マニュアルの保管場所
- 担当業務に関連する部署・社員
- よくあるミス
マニュアルの保管場所や困った時にどの部署の誰に聞けばよいかを教えておくと、後輩が困った時に自分で調べて解決する癖がつきます。また、前もって間違えやすい箇所などを伝えておくことも、ミスの防止につながります。
加えて、読んだ方が良い書籍や勉強になる動画、おすすめのWebサイトなども紹介すると良いでしょう。
後輩を理解する姿勢を持つ
後輩指導では、後輩を理解した上で個人に合わせた指導が効果的です。「新入社員意識調査2023」では、新入社員の「上司に期待すること」として「相手の意見や考え方に耳を傾けること」「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」が圧倒的に多くあげられました。指導を担当する際には、後輩の個性を尊重することが求められています。
後輩を理解するためにも、以下を心がけましょう。
- 後輩の考えや意見を聞く
- ミスをした時などに頭ごなしに叱らず、後輩が取った行動の理由を聞く
- 自分のやり方や考えを強要しない
- 思い込みをせずにコミュニケーションを取る
後輩の意見を聞く姿勢を持つことでコミュニケーションが生まれ、一方的な指導ではなくなります。そうすることで、後輩の当事者意識や自主性、自分の考えを説明する力が育成できます。
後輩のモチベーションが上がる声かけをする
後輩の意欲を高める声かけも後輩指導の大切なポイントです。マンパワーグループ(株)の「部下の指導方法」調査では、指導でうまくいったこととして「褒めることでモチベーションを上げる」という声があげられました。
後輩のモチベーションを上げる方法は、以下があげられます。
- これから教えることがどのように仕事やスキルアップにつながるか伝える
- 達成したことは一緒に喜ぶ
- 成果だけでなくプロセスでの努力もほめる
- 後輩が成し遂げた業務や成果に感謝する
後輩の向上心や意欲を引き出すことで、成長スピードが上がる可能性もあります。
注意をするときは伝え方を工夫する
後輩がミスをした時や改善した方が良いことがある時の話し方も重要になります。伝え方を失敗するとパワハラと受け取られてしまったり、後輩のモチベーションが下がったりする可能性があるためです。
注意をするときに気を付けたいことは、以下のとおりです。
- 長時間叱らない
- 感情的にならない、人格を否定するようなことは言わない
- 「この書類は〇か所修正点があるよ」など具体的に事実を伝える
- 後輩の気付きを促す質問をする
- 指導内容によっては、注意する場所を変える(大勢の前で激しく叱らない)
- 注意・指摘した後は応援している気持ちや期待していることを伝える
強い言葉でミスを責めすぎると、後輩は委縮してしまい、次にミスをした際に隠そうとする恐れがあります。注意をするときは冷静に事実を伝えた上で、「どうしてこうしたの?」「どうしたら再発を防げるかな」と今後に活かせる声かけをしましょう。
また、後輩にミスした理由や再発防止策を考えさせることで、原因究明力や課題解決能力の訓練になります。指導後は、後輩がミスを引きずりすぎないようにポジティブな声かけをしましょう。
フィードバックを丁寧に行う
後輩指導では、定期的に進捗報告をさせることとフィードバックにも力を入れましょう。最初は進捗報告するタイミングを決めると、後輩に「報連相」の習慣がつきやすくなります。
また、後輩が取り組んでいる業務を知ることで、業務の優先順位を誤っていないか、方向性がずれていないか確認ができます。
フィードバックをする時は、注意点だけでなく良い点も伝えるようにしましょう。
後輩への指導で気を付ける4つのこと

後輩指導で気を付けることは、「自分がされて嫌なことは後輩にもしない」ことです。具体的には、以下があげられます。
- 他人と比べない
- 後輩の意見・考えを聞く
- 一貫性のある指導をする
- 適度に自分から後輩に声をかける
一つずつ解説します。
他人と比べない
他の社員と比較した指導方法は避けましょう。「新入社員意識調査2023」によると、新入社員が仕事をする上で重視することは「成長」がトップ、「競争」は最下位でした。「他の人と比べてどうか」より「過去の自分と比べてどうか」という点を重視している人が多いことがわかります。他者と比較されることで後輩が他の人より劣っていると思ってしまうと、モチベーションの低下を引き起こす可能性もあります。
また、注意する時だけでなく、褒める時も他者を引き合いに出さないようにしましょう。たとえば、後輩が資料を提出してきた際に「○さんより早くできたね」「〇部の資料よりわかりやすいよ」と伝えるのは適切ではありません。「提出期限より2日早くできたね」「表やグラフを使っていて、以前作成してくれた資料よりわかりやすいよ」など事実と後輩の成長を評価しましょう。
後輩の意見・考えを聞く
後輩指導に当たっては、自分の仕事の進め方が一番正しいという思い込みを捨てましょう。はじめは業務のやり方を教えますが、後輩が業務に慣れてきたら「もっと効率的な方法はないかな?」など後輩の意見を聞いてみましょう。
後輩がいつも改善案を出せるわけではありませんが、後輩の意見を時々聞くことで後輩の自発性や課題発見能力の向上を促せます。
また、「この業務はできません…」など後輩がネガティブな発言をしたときは、「がんばれ」「そんなのは甘えだ」などで片づけず、なぜそう思うのか聞きましょう。後輩の考えを聞くことで、後輩の適性や業務の問題点が見つかることもあります。
一貫性のある指導をする
指導に一貫性をもつことも、気を付けたい点です。仕事を覚え始めたばかりの社員は、業務のやり方や仕事に対する考え方がころころ変わると混乱してしまいます。また、先輩への信頼度もさがってしまう可能性もあります。
筋が通った指導を心がけつつ、変更点があれば都度説明しましょう。
適度に自分から後輩に声をかける
指導後、実際に後輩が業務に取り組み始めたらあたたかく見守りましょう。その中で、作業に時間がかかりすぎている、または後輩に困っている様子があれば声をかけます。特に新入社員は「こんな些細なことを聞いてもいいのだろうか」と悩んで業務が止まってしまうケースがあります。こちらから声をかけることで、相談しやすい関係が築けます。
とはいえ、声のかけすぎも注意が必要です。ある程度後輩が自分で考えて解決することも大切なので、声かけは適度に行いましょう。
【悩み別】後輩指導に困ったときの対処法・指導方法

実際に後輩指導がはじまると、前述までのことを心がけても悩みは出てくるものです。後輩の性格を変えることは難しいのですが、「気づき」を与えることで行動が改善することがあります。
後輩に気づきを与える指導方法を悩み別に紹介します。
- ミスが絶えない後輩にイライラしてしまう
- 指示待ち状態の後輩にストレスを感じる
- やる気がない後輩の指導に疲れた…
- 後輩にネガティブフィードバックをしにくい
順に解説します。
ミスが絶えない後輩にイライラしてしまう
ミスを繰り返してしまう後輩の指導方法は、ミスをした時の後輩の反応で変えましょう。後輩に反省の色が見えない場合はミスの重大さを伝えますし、激しく反省しているようならまずは励まします。
どちらのタイプでも、注意を行った後にミスの原因と再発防止策を後輩に言語化させます。後輩にミスを減らすアドバイスとしては、以下があげられます。
- メモを取る
- 指導した後に内容を復唱する
- チェックリストを作成する
イライラしてしまう場合は、ミスは起こってしまうものと割り切ったり、後輩を成長させれば自分の指導スキルも向上するとポジティブにとらえたりすることで、ストレスを軽減できるでしょう。
指示待ち状態の後輩にストレスを感じる
自主的に動かない後輩にストレスを感じる場合は、以下の対処法がおすすめです。
- 本人の責任で遂行する業務を一つ与える
- 業務がおわったら忘れずに報告をさせて、次の業務を振る
後輩がある程度自分で考えて行う業務を割り振って自主的に動かざるを得ない状況にすると、能動的に動く癖がつきやすくなります。
また、指示待ちの後輩は、仕事の流れが分かっていないケースがあります。業務をどんどん振っていくことで、次に何をやるべきかわかるようになり、自分から業務に取り組む可能性が上がるでしょう。
やる気がない後輩の指導に疲れた…
後輩のやる気がないと、こちらばかりが熱心に指導していると感じて疲れてしまうことがあります。そういった場合は、後輩に以下の働きかけをしてみましょう。
- 評価を自分でつけてもらう
- 将来のことや後輩が興味のあること、得意なことを聞いてみる
本人評価をさせた後は、理由も聞きます。後輩の仕事に意欲が湧かない理由がわかることがあるためです。また、後輩の仕事に対する考えを聞くことで、やる気がないように見えて淡々と仕事をするタイプだったと気づくケースもあるでしょう。
後輩に将来のことや興味のあることを聞いて、今の業務が将来にどう結びつくのか話したり、後輩の強みが活かせそうな業務を担当させてみたりするのも一つの対処法です。
後輩にネガティブフィードバックをしにくい
ネガティブなことを言うと、「後輩はやる気をなくしてしまうのではないか」、あるいは「過度に落ち込んでしまうのではないか…」と思う人は少なくありません。この場合は、自分の意識を変えましょう。
社員一人ひとりが成長することで仕事の質が高まり、それが会社の利益につながります。つまり、会社の成長には社員の成長が必要不可欠なのです。
後輩の育成は、後輩自身と会社に大きなメリットがあります。このように考えれば、ネガティブな内容でも必要なことはしっかりと伝えるべきだと思えるでしょう。
ただし、フィードバックの仕方には注意が必要です。具体的なネガティブフィードバックの方法は、「注意をするときは伝え方を工夫する」を参考にしてください。
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後輩指導が難しいと感じる場面の具体例
後輩指導が難しいと感じる場面は、人によってバラバラに見えて、実は数パターンに収まります。自分がどれに当たるかを名前で特定できると、対処の入口が決まります。
| 難しいと感じる具体例 | 起きていること | まず手を付ける場所 |
| 何度説明しても同じミスが起きる | 手順は伝わっているが、確認するタイミングが決まっていない | 説明のやり直しではなく、チェックの回数と場所を決める |
| 聞かれないので進捗が分からない | 後輩が「どこまで聞いていいか」を知らない | 聞いてよい範囲と、聞くタイミングを言葉で渡す |
| 自分の業務が止まる | 指導の時間が業務時間に乗っていない | 業務量の調整を上長に相談する(指導の工夫では解決しない) |
| 強く言うと萎縮し、言わないと直らない | 伝える内容ではなく伝える場所の問題であることが多い | その場で短く、人前を避けて伝える形に変える |
| 後輩の成果が自分の評価に関係するのか分からない | 評価の扱いが決まっていない | 評価にどう乗るのかを先に確認する |
どの行も、後輩を変えようとする前に、自分の側の条件を1つ決め直すという形になっています。難しさの正体は後輩の資質ではなく、決まっていない条件であることがほとんどです。
ミスが続く後輩に対してイライラが先に立ってしまう場合は、後輩指導でイライラする原因は?自分の責任の範囲を3つに分ける判定表で、自分の責任の範囲を切り分けるところから始めてみてください。
後輩指導が「しんどい」ときに切り分けたい2つの原因
ここまで指導のコツを見てきましたが、実際には「頑張っているのに後輩指導がしんどい」「うまくいかずイライラしてしまう」と感じている方も多いはずです。指導疲れがたまると、ノイローゼのように気持ちが追い詰められてしまうこともあります。そんなときは、しんどさの原因を次の2つに切り分けてみてください。
- 自分の力量(指導スキルや経験)の問題
- 任され方(権限・時間・体制)の問題
多くの人は「うまく指導できないのは自分の力量不足だ」と考えがちです。しかし、しんどさの正体は力量ではなく、指導を任される「状況」の側にあることが少なくありません。ここを切り分けられると、必要以上に自分を責めずに済みます。
「しんどい」を力量の問題として抱え込まない
後輩がなかなか成長しない、指示が伝わらない。こうした状況が続くと、「自分の教え方が下手だからだ」と感じてしまいます。ですが、指導の成果は、後輩本人の適性や意欲、任される業務量など、あなた一人ではコントロールできない要素にも大きく左右されます。うまくいかない=あなたの力量不足、と直結させないことが大切です。
実は「任され方」の問題であることが多い
後輩指導でイライラやしんどさが募る背景には、「指導に必要な権限や時間が与えられていない」という構造的な問題が隠れていることがよくあります。通常業務を抱えたまま指導も丸ごと任され、しかもその負担が評価にも反映されない。これでは、どれだけ丁寧に指導しても消耗するばかりです。近い状況として、仕事を押し付けられていると感じる場面や、都合よく使われていると感じる場面の記事も参考になります。
指導役を任されたときに決めておくべきだったこと|権限・時間・評価
後輩指導を気持ちよく続けるには、引き受ける段階で条件を整理しておくことが理想です。すでに任されている場合でも、次の3点を上司と確認するだけで、負担の感じ方が変わります。
- 権限:どこまで自分の判断で指導・注意してよいのか
- 時間:指導のための時間を業務としてどう確保するか
- 評価:指導の役割が自分の評価にどう反映されるか
とくに見落とされがちなのが「時間」と「評価」です。後輩指導は業務時間として計上されにくく、評価の対象にもなりにくいため、頑張るほど自分の首を絞める構造になりがちです。指導は立派な業務であり、時間と評価を伴って初めて続けられるものです。この前提を上司と共有できると、抱え込みが軽くなります。似た構図として、仕事を任せてもらえない側の悩みや、損な役回りが自分に回ってくる状況も、あわせて読むと役割配分の全体像が見えてきます。
\「自分の力量の問題かも」と抱え込む前に、一度整理してみませんか/
指導役を任された初日に決めておく5項目チェックリスト
次の5つは、任された初日に確認しておくと、あとからしんどさが積み上がりにくくなる項目です。すでに任されて時間が経っている場合も、埋まっていない項目があればそこが詰まりの原因になっている可能性があります。
- □ ①どこまで指示していいか(作業の指示まで/評価や注意まで/どこからは上長が行うか)
- □ ②自分の業務をどれだけ外せるか(指導に使う時間の分、何を外すか・誰に渡すか)
- □ ③後輩の成果が自分の評価に乗るか(乗るなら何で測るか、乗らないなら何で測られるか)
- □ ④いつまでの期間か(3か月/半年/期限なしのままにしない)
- □ ⑤困ったとき誰に上げるか(相談先を1人決めて、本人にも伝えておく)
埋まらない項目があれば、それはあなたが決めるべきことではなく、任せた側に確認すべきことです。「後輩の様子を見て判断します」で済ませず、1つずつ言葉にして確認しておくと、半年後の負担がまったく変わります。
後輩指導をしたくない・めんどくさいと感じるとき
後輩指導をしたくない、めんどくさい、正直もう諦めたい——そう感じること自体は、指導役を任された人の多くが通る地点です。やる気の問題として片付ける必要はありません。
ただし、ここで考えたいのは「やるか、やらないか」ではなく、引き受ける範囲をどこで切るかです。全部を引き受ける前提のままだと、断る選択肢が「全部降りる」しか残らず、結果としてどちらも選べなくなります。
- 続ける部分:自分の業務と地続きで、教えること自体が自分の整理にもなる範囲
- 渡す部分:評価や注意など、本来は上長の役割に当たる範囲
- 期限を切る部分:いつまで面倒を見るのかを決めていない範囲
上のチェックリストの5項目に戻って、埋まっていない項目から順に上長へ確認してください。「後輩指導をしたくない」という申し出より、「①〜⑤のここが決まっていないので決めてほしい」という相談のほうが通りやすく、実際に負担も減ります。
後輩指導の目標設定を任されたときの書き方と例文
期初や下期の切り替えで、後輩の目標設定を任されることがあります。自分の目標を書くのとは勝手が違い、何をどこまで書けばいいのか迷いやすい作業です。
書くときのコツは、後輩の性格や意欲ではなく、観察できる行動と数で書くことです。意欲は測れないため、達成したかどうかを後から判定できません。
| 書き方 | 悪い例 | 良い例 |
| 行動で書く | 積極的に業務に取り組む | 週次のミーティングで、担当業務の進捗を自分から1件以上報告する |
| 数で区切る | 早く独り立ちする | 3か月後までに、A業務を手順書を見ずに1人で完了できる状態にする |
| 範囲を限る | お客様対応ができるようになる | 既存顧客からの定型問い合わせについて、1次回答を自分で返せるようにする |
例文としては、次の形がそのまま使えます。
- (習熟)「◯月までに、△△業務を手順書なしで1人で完了できる状態にする。月末時点で、完了までに要した時間を本人と確認する」
- (報連相)「週次ミーティングで、担当業務の進捗と詰まっている点を自分から1件以上報告する。報告の抜けがあった週は、その場で理由を一緒に確認する」
- (品質)「◯月までに、提出物の差し戻しを月2件以内に抑える。差し戻しが出た場合は、原因を1行で記録して次回に申し送る」
なお、目標設定の作業そのものは、本来は評価者である上長の役割と重なります。あなたが書いたものを最終的に誰が承認するのかは、先に確認しておいてください。
部下育成として目標設定を設計する側の考え方は、【目標例あり】部下育成の目標設定方法と人材育成計画のポイントで整理しています。任された側として書く場合も、承認する側が何を見ているかを知っておくと書きやすくなります。
「後輩指導」を職務経歴書でどう言い換えるか
後輩指導の経験は、実はキャリアの資産になります。転職や社内での自己アピールの場面では、「後輩指導をしていました」で終わらせず、具体的な言い換えに落とし込むと強みとして伝わります。たとえば次のような表現です。
- 新入社員のオンボーディング設計・育成を担当
- OJT計画の立案と、後輩のスキル定着までのフォロー
- チーム内のナレッジ共有・マニュアル整備を推進
このように言い換えると、「教育・育成」「巻き込み力」「業務改善」といったポータブルスキルとして整理できます。今の職場でしんどさを感じている場合でも、その経験を言語化しておくことは、今後のキャリアの選択肢を広げる準備になります。自分の指導経験をどう言い換えれば伝わるのか迷ったときは、キャリアのプロに相談しながら整理するのも近道です。
後輩指導は自分も成長できるチャンス!
本記事では、後輩指導を行う上で心にとめておきたいことと、悩み別の対処法を紹介しました。後輩の育成は、改めて仕事の進め方や考え方を見直す機会になり、自分自身も成長することができます。
しかし、実際に後輩指導を行っていると悩むことも少なくありません。仕事に関するお悩みは、キャリア相談専門のスキルシェアサービス『coachee』にお任せください。
『coachee』はあらゆる分野のキャリアコーチが所属しているので、キャリア形成や転職など一般的なキャリア相談だけでなく、人間関係の相談もできます。現状の整理や後輩育成の進め方といったことをプロの視点でアドバイスしています。
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後輩指導に向き合うなかで、「自分はこのまま管理職・リーダーの道に進むべきか」と迷うこともあるかもしれません。指導する立場ならではのキャリアの悩みについては、30代で「管理職になりたくない」は甘え?昇進を断るリスクと専門職としてのキャリア設計で詳しく解説しています。自分自身のキャリアの方向性に迷ったときは、キャリアのプロに単発で相談できるcoacheeも活用してみてください。


