面接で聞いて欲しい事を書く/職務経歴書の書き方とルール
転職活動を開始する際に、少々手間がかかるのが、職務経歴書の作成です。
正直、作成するのは億劫だという人は非常に多いです。
ただ、大切な書類だけに、できる限り評価されるようにしっかり書きたいところです。
評価される職務経歴書は
『誤字脱字がない。文章の作りが統一されている。』
『伝えるべきことが書かれ、伝えなくて良いことが書かれていない。』
『面接で聞いてほしいことが書かれている。』
上記のような特徴があります。
そんなことを言われても、なかなか書き出すのは難しいものです。
でも実は、採用担当が、見ているポイントはある程度決まっており、型に当てはめて書くことで、伝わる職務経歴書になります。
この記事では、職務経歴書作成で躓かないように、丁寧に書き方をお伝えしていきます。
高橋 秀誓
キャリアコンサルタント
coachee株式会社 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
プロティアン認定ファシリテーター
キャリア相談プラットフォーム『coachee(コーチー)』運営者
明治大学卒業後、リテール、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。
求人広告、人材紹介、人材派遣、SESにおける、ソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事。エグゼクティブ,Web,IT,SI.HRにおけるリクルーティング支援、キャリア形成支援を行う。
相談実績は3500人以上。
履歴書、職務経歴書が手元にない方は、パソコンから下記よりダウンロードして下さい。
Q:文字化けしてしまうのですが…
A:上記ダウンロードボタンからダウンロードして頂くと文字化けせずダウンロードできます。
採用担当者の視点
職務経歴書を作成する際に、重要なのが『採用担当者が何を考えて職務経歴を見るのか?』です。書類選考で通過するかどうかは、下記点を抑えているかで決まります。
採用者は、『採用要件に見合うか?』『早期離職にならないか?』を見ている。
POINT1:採用者は『採用要件に見合うか?』を見ている。
採用は、事業目的を達成するために、人材が必要であり、事業目的を達成できる人材要件を定めています。
その要件から外れてしまうと、既存スタッフに大きな負担が出てしまい、また、採用された転職者もまた、受け入れ体制に不満を持ってしまい、双方にとって良くありません。現場を念頭に置いて職務経歴を確認されていることを認識しましょう。
POINT2:採用者は『早期離職にならないか?』を見ている。
採用要件に見合う方であったとしても、入社後すぐに退職する可能性がある方は、採用出来ません。せっかく業務のイロハを教えたのに、退職されてしまっては、それまで上司や周囲の方の時間を使った労力が水の泡になってしまうからです。
早期離職になりえそうな方は、『ストレスや負荷に対する耐性』『離職癖』『コミュニケーションの対象』などを、自社と比較して、どうか?を確認しております。
様々な背景があることを理解して頂く必要がありますが、職務経歴書の目的は、書類通過であり、面接で確認するきっかけです。書く必要がある内容と書く必要がない内容を慎重に判断しましょう。
早期退職経験があります。どう書くのが良いのでしょうか?
回答としては、最低限の事実を記載します。その上で、理由や背景をつけるかどうかは、状況判断になります。
大前提として、早期退職経験があるから次もなると判断されるわけではありません。『再現性があるか?』が大事ですので、繰り返さないということが相手に伝われば問題ないです。
ただ、ここは実際に、自分でも繰り返さないことを確信が持てているかが大事です。
もし、持てないようであれば、様々なサービスを活用しながら、方向性を見直すことも大事かと思います。
職務経歴書の書き方~3つのパートで異なる役割~
それでは、職務経歴書の作成に移りましょう。
原則は、シンプルで見やすい、誤字脱字がない、整理されている職務経歴書が好まれます。
大きく3つのパートに分かれており、それぞれの役割があります。
①作成日・氏名・職務要約
②職務概要
③自己PR
①作成日・氏名・職務要約
作成日・氏名
作成日は履歴書同様、なるべく1ヶ月以内の日付に更新しましょう。3ヶ月以上前の職務経歴書の場合、正式文書として適切でなく、また、転職活動が上手く行っていないのかなという余計な印象を与えてしまう恐れが有るからです。
氏名は、性と名で間をあけましょう。
職務要約
3行~5行程度で、卒業後、現在までの仕事における経験を簡単にまとめます。採用担当者が、職務要約を見て、すぐに何をしてきた方かがわかる事が望ましいです。
例:◯◯大学卒業後、新卒にて株式会社◯◯に法人営業職として入社。新規の法人顧客に対して、電話にてアポイントを頂戴し、◯◯(商材)の販売活動に従事してまいりました。その後、◯◯株式会社にマーケティング職として入社。現在に至るまで~・・・。
職務要約はひと目見て、何をしてきたかが簡単にわかると望ましいです。
②職務経歴
職務経歴では、下記を記載します。
2社以上経験している場合は、働いた順に記載するとわかりやすいです。
どんな会社で誰とどの様に働いてきたか?誰にどの様な貢献をされてきたかを確認し、採用企業で就業しているイメージが湧くかどうか確認されます。
1.会社名
正式名称を確認し、社名変更している場合は『株式会社◯◯(旧株式会社△△)』と補足します。
2.事業内容
会社HPがある場合は、事業内容を会社概要ページから確認します。
3.資本金、従業員数
どの程度の規模や人数の会社で働いていたかで、社内コミュニケーションや稟議の上げ方等の参考になる情報です。
4.期間、業務内容
業務内容、実績、ポイントを記載します。実績は事実に基づく数値を記載しましょう。
ポイントも再現性のあるポイントを記載すると良いです。
②自己PR
自己PRでは、採用企業が求める人物像に当てはまるか?就業してから活かせることはあるか?を確認します。
文章構成の基本は『結論+理由/詳細+結論』です。
例:
【他者への思いやり】
私の強みは、常に他者を思いやり、コミュニケーションを取れることです。
なぜなら~・・・だからです。実際に~・・・しました。なので~・・・です。
【目標達成力】
私は、どんなに高い目標でも、決めた目標は達成する自身があります。
前職では~で表彰されました。具体的に行ったこととしては以下の3つです。①~…。②~…。 ③~…。
貴社入社後も~・・・。
自己PRの書き方ヒント~ポータブルスキル~
PRできる程の成果やノウハウがないです。。何を書けばよいでしょうか?
未経験者の場合、PRできるポイントを探すのは大変です。そこで、ポータブルスキルから自己PRを考えることをオススメします。
ポータブルスキルの種類
ポータブルスキルは、コミュニケーションスキル、セルフコントロールスキル、タスク管理スキル、スタンスなどに分かれます。それぞれのスキル一覧は下記です。
ポータブルスキル一覧
ヒューマンスキル
他者との関係を良好に構築するスキルです。具体的には下記のようなものを指します。
傾聴力 | 真剣に話を聞き理解しようとする力 |
受容力 | 状況・環境を理解し、冷静に考えられる力 |
説得力 | 相手に自身の意図を伝え、理解してもらう力 |
統率力 | 周囲の関係者の意向を踏まえた上で、組織の意思に沿うように行動してもらうようまとめる力 |
協調力 | 他者と協力して、物事を推し進める力 |
セルフコントロールスキル
自身を統率するスキルです。具体的には下記のようなものを指します。
忍耐力 | 苦しみや負の感情を抑えながらスべきことを行う力 |
柔軟力 | 変化に対して適切に対応応する力 |
規律力 | 秩序通り事を進める力 |
慎重力 | 注意深く行動する力 |
自制力 | 自分の欲求を抑える力 |
タスク管理スキル
業務遂行にあたり必要なスキルです。具体的には下記のようなものを指します。
継続力 | 決めたことをやり続ける力 |
遂行力 | 決めたことをやりきる力 |
変革力 | 理想に向かうために、新たな試みを行う力 |
改善能力 | 業務におけるフローをどう効率化するかを考え実行する力 |
仮説検証能力 | あるべき姿と現状を比較し、課題を抽出する力 |
問題解決能力 | 抽出した課題に対して、適切な対処を策定し実行する力 |
対応力 | 素早く柔軟に対応する力 |
創造力 | 考えを発想・発展させる力 |
分析力 | 物事の仕組みを解明する力 |
決断力 | 迷わず決める力 |
自走力 | 与えられた課題を自力で解決する力、課題を与えられずとも発見する力 |
マーケティング力 | 調査、企画、コミュニケーション能力を含んだ総合的な能力 |
キャッチアップ力 | 短時間で新しい知識を身に着ける力 |
スタンス
仕事、人生、努力、仲間や学習等さまざまな観点でご自身を形成している価値観を指し、すべての行動の核となります。
具体的には下記のようなものを指します。
達成意欲 | 目標をに対するやり遂げようとする意思・精神 |
主体性 | 自分の意志や判断に基づき、責任を持って行動すること |
挑戦心 | 挑戦することに積極的な姿勢 |
柔軟性 | その場や状況に応じて行動や機能などを素早く変化して対応することができるような性質 |
協調性 | 利害や立場の異なる人と譲り合って、協力することができる能力のこと |
プラス思考 | 良くない状況に対して、前向きにとらえる思考 |
誠実さ | 嘘がなく、物事に真面目に取り組む姿勢 |
謙虚さ | 控えめな態度で人に接するようなあり方 |
粘り強さ | 困難な状況でも最後までやりとうそうとするさま |
上記に限らずポータブルスキルにおける表現の仕方はさまざまあり、決まりはありません。
相手に自身のスキルが伝わることが大切です。
例えば、上記の中から問題解決能力が自分にはありそうだなと感じたら、下記のようなエピソードを付け足すことで、自己PRになります。是非ご活用してみて下さい。
【問題解決能力】
私は、問題解決能力に自信があります。それは、問題が起こったときに、原因やそこに至った経緯を整理して、周りの人と意見しながら解決策を練って実行する、といった行動を何度も経験したからです。前職では100人を率いる・・・・
職務経歴書作成は、自己分析を行うことで、より精度が高まっていきます。実際に自己分析を手伝ってくれる友人や知人はなかなか見つかりづらいです。そこで、現在あるサービスを上手く活用することで、転職活動も一歩まええ進むと思います。