営業職のキャリアプランの事例4つ|重要な考え方やキャリアプランの立て方
営業としてのキャリアアップや異業種への転職を目指すには、キャリアプランが重要です。キャリアプランという明確な行動指針があることで、毎日こなすべきタスクが明確になり、迷わずに仕事を遂行できます。
この記事ではキャリアプランの概要と営業職のキャリアプランの例、営業職のキャリアプランの考え方と作り方を解説します。
高橋 秀誓
キャリアコンサルタント
coachee株式会社 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
プロティアン認定ファシリテーター
キャリア相談プラットフォーム『coachee(コーチー)』運営者
明治大学卒業後、リテール、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。
求人広告、人材紹介、人材派遣、SESにおける、ソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事。エグゼクティブ,Web,IT,SI.HRにおけるリクルーティング支援、キャリア形成支援を行う。
相談実績は3500人以上。
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【確認】キャリアプランとは
キャリアプランとは、キャリアビジョンを達成するための行動計画です。キャリアビジョンとは、キャリアの最終目標や達成した際のセルフイメージを意味します。
キャリアプランで検索すると、面接対策用のサイトが多く表示されます。しかし、転職を前提としていない方でも働き方の軸として、キャリアプランを作った方が良いでしょう。
営業職のキャリアプランの例
営業職のキャリアプランの例を4つ紹介します。
- 管理職を目指す
- 経営企画や開発部を目指す
- 大手や他業種へ転職する
- 独立する
管理職を目指す
営業職のキャリアプランとして一般的なのが、その会社で管理職を目指すプランです。最終的に管理職になるために、具体的な行動を逆算して考えます。
- 営業として結果を残す
- チームリーダーを担う
- リーダーとして人材育成の実績を残す
- 営業課長になる
- マネジメント能力を磨き営業部の業績を上げる
- 営業部長になる
営業部長になるまでの道筋をリストアップし、そのタイミングで必要なスキルや勉強を行動に落とし込みましょう。上記の行動指針に具体的な数値目標を設けて、スモールゴールを達成するイメージでキャリアプランを作ってください。
経営企画や開発部を目指す
営業職を続ける以外に、経営企画や開発部を目指すキャリアプランもおすすめです。営業職は直接取引先とコンタクトを取る機会が多く、顧客ニーズや反応を直接感じ取れる職業です。そのため、ノウハウを活かして経営企画や製品開発部でも活躍できます。
- 営業を通じて多くの顧客と対話し、ニーズを汲み取る
- 自社のターゲットについて分析する
- 経営企画や開発部への異動願いを出す
- これまでのノウハウを活用して商品開発などに携わる
経営企画や開発に関わるという目標があれば、営業の仕事で顧客と対話し、その際に顧客ニーズを深掘りするという行動目標ができます。アイデアを書き溜めておき、異動後にその知識を活かして商品開発に役立てましょう。
大手や他業種へ転職する
営業のスキルを磨き、より大手の企業や他業種へ転職するキャリアプランも立てられます。前職での営業成績を高く評価されれば、上位企業や業種の違う会社でも営業としての実力を見込まれて採用される可能性が高いです。そのためには、以下のようなキャリアプランが考えられます。
- 業界動向についてリサーチして営業力をさらに伸ばす
- 傾聴力をつけて、顧客ニーズに寄り添う営業を心掛ける
- 営業成績トップを継続して取り続ける
- 職歴を活かしてより上位の会社へ転職する(または他業種へ転職する)
大手企業や他業種への転職に、営業としての実力は不可欠です。営業力を伸ばすための行動を取り、その後目標を決めて営業トップ成績を取り続けるなど、転職時にわかりやすくアピールできる実績を作りましょう。
独立する
営業としてのスキルを磨いたあとに、独立するキャリアプランもあります。取引先に顔を打っておき、信用を得ておけば独立後に顧客になってくれる可能性も高いです。その場合は以下のようなキャリアプランが考えられます。
- 営業のスキルを磨く
- 多くの取引先とコミュニケーションをとる(独立後の顧客化を想定)
- 業界動向や専門的な知識をつける
- 独立する
独立後の成功のためには、営業力はもちろん顧客とのコミュニケーション、専門知識も欠かせません。営業職として雇用されているうちに、必要なスキルを身につけるキャリアプランを立てましょう。
営業のキャリアプランの考え方
営業のキャリアプランの考え方を3つ紹介します。
- 営業を通じて得られるスキルをリストアップする
- 部署や今の会社にこだわらない
- ライフプランを見据えて営業としてのキャリアを考える
営業を通じて得られるスキルをリストアップする
キャリアプラン作りがうまくいかない人は、営業を通じて得られるスキルからキャリアのゴールをイメージしましょう。営業職を通じて得られるスキルは以下のようなものがあります。
- コミュニケーション力
- リサーチ
- ヒアリング
- プレゼン
- マルチタスク
- スケジュール管理
- 分析力
仕事を通じてこれまで得てきた、またはこれから身につけられるであろうスキルをリストアップしましょう。スキルから今後のキャリアプランを考えれば、より具体的な業種や職種、または役職がイメージできます。
例えば、営業で培った分析力を活かせばマーケターに転職することも可能です。顧客ニーズの分析力の高い営業は自社顧客の属性に詳しいため、見込み客を取り込むマーケティング業務でその知識を活かせます。
部署や今の会社にこだわらない
営業職のキャリアプランを考える際に、営業という括りにとらわれないようにしましょう。今営業として働いているからといって、一生営業を続ける必要はありません。また、今の会社に固執する必要もないことを理解しておきましょう。
自社でキャリアアップを目指すのも選択肢の1つですが、より待遇や環境の良い会社へ転職することもできます。また、未経験の他業種の会社で働くなど選択肢は無限にあります。営業職で培った知識や経験を活かした転職、他業種での営業としての勤務なども視野に入れてキャリアプランを考えてみましょう。
ライフプランを見据えて営業としてのキャリアを考える
営業職に限らず、キャリアプランを考える際は同時にライフプランもイメージしましょう。独身であればキャリアプランを淡々と実践できますが、結婚して子供ができたとイメージすると、キャリアプランも変わってきます。
例えば、ドジャースで活躍している大谷翔平選手は、野球選手としてのキャリアプランを立てる際に同時にライフプランも立てていました。何歳までにプロに移籍し、結婚して子供を作るなど、長期的な人生プランにそってキャリアプランを立てています。
人生設計をしておくことで、転職は何歳までに済ませてポジションを上げておく、年収は〜万円が妥当などと、より解像度の高いキャリアプランを立てられるはずです。
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営業職向けキャリアプランの作り方
あなたが今度キャリアにおいてどんな行動を取れば良いか、計画表をつくってみましょう。営業職向けのキャリアプランの作り方を紹介します。
- 営業職のキャリアや経験を棚卸しする
- 自分の営業としての仕事を整理する
- 今後実現したいことをリストアップする
- 10年後に営業の仕事を経てどうなっていたいかイメージする
- イメージを具体的な数値やポジションに落とし込む
- 最終目標を叶えるための行動計画を立てる
営業職のキャリアや経験を棚卸しする
営業職向けキャリアプランを作るにはまず、キャリアや経験を棚卸ししましょう。転職経験がある方は今までの職歴を含めて、経験をリストアップしてください。転職するかどうかに関係なく、経験とキャリアからキャリアゴールとプランを考えていきます。
具体的な実績などをリストアップすることで、客観的に営業としてのあなたのスキルを可視化できます。そのスキルをもとに、昇進を目指すべきかキャリアチェンジをすべきかを考え、キャリアゴールを決めてからキャリアプランを立てましょう。
自分の営業としての仕事を整理する
今営業としてこなしている仕事を整理しましょう。あなたが日常的に担当している業務を一覧にすることで、新たなスキルに気付ける可能性があります。例えば、あなたが1日で取引先へのメール対応や顧客情報の整理、訪問営業を何件こなしているかをリストにします。1日のうちに同僚よりも多くの業務をこなしていれば、タスク管理が得意なことがあなたの強みと判断できます。
タスク管理が得意な人は、マネジメントスキルを身につければ有能なマネージャーになれるはずです。マネージャーになるというゴールが決まったら、今の役職でマネージャーになるためのマネジメントスキルを身につけるためにチーム員の数字管理の手伝いをしたり、商談の進捗を確認して取引先の割り振りの変更を上司に提案するなど、業務で実践すべきことがわかるでしょう。
今後実現したいことをリストアップする
営業としてのキャリアプランを立てるには、今後実現したいことをリストアップしてみましょう。あなたのポジションやスキルに関係なく、純粋になりたい自分について考えてみてください。リストの中からキャリアゴールを決め、そこから逆算してキャリアプランを立てましょう。
- 営業成績で1位を取りたい
- 1年以内に昇進や昇給を果たしたい
- ライフワークバランスが取れる会社で、プライベートを充実させたい
- 結婚して家族を養いたい
- 独立してマイペースに働きたい
今実現したいことを書き出すことで頭を整理し、キャリアプランの作成に役立てましょう。
10年後に営業の仕事を経てどうなっていたいかイメージする
営業としてのキャリアプランを立てる際は、10年後に仕事を通じてどんな自分になりたいかイメージしましょう。「営業部長になっており、30名の部下をまとめている」「営業のプロフェッショナルになり、バリバリ現役で働いている」など、理想の姿を明確に思い浮かべてください。
次に10年後に理想のあなたになるために、足りないスキルや経験を書き出してみましょう。それを想像することで、この10年でこなすべき仕事やつけるべきスキルがわかり、キャリアプランを立てやすくなります。
イメージを具体的な数値やポジションに落とし込む
営業として叶えたいセルフイメージをもとにして、具体的な数値やつきたいポジションを考えましょう。
- 毎月目標数値を1%上回る成績をキープする→メール営業の強化や営業自体の効率アップ
- 1年以内にチームリーダーを任せてもらう→リーダーのサポートを率先して行う
以上のように、数値目標やなりたいポジションを設定すれば、業務上何をしたら良いか明確になります。毎月予算目標を達成するには、今の営業方法よりも効率的な非対面営業に力を入れたり、顧客の関心度を読み取り成功率の高い顧客へアプローチする方法を取る必要があります。
また、1年以内にチームリーダーになりたいなら、リーダーとしての素質を認めてもらう必要があります。そのためにはチームリーダーの業務の手伝いを申し出て、リーダーの仕事を覚えると良いでしょう。このように、明確な数値やポジションをキャリアプランに含めることで、さらに細かな行動目標を立てられます。
最終目標を叶えるための行動計画を立てる
キャリアの最終目標を叶えるために、具体的な行動計画をまとめましょう。ここまでのステップで、なりたいあなたのイメージやつきたいポジション、そのために達成すべき成績目標などは明らかになっているはずです。
ここまで分析した情報をキャリアプランとして組み立て、優先度の低いタスクを削除するなどして、最終的なキャリアプランを立てましょう。
キャリアプランが思いつかないときの対処法
営業としてのキャリアプランが思いつかないという方もいるでしょう。キャリアプランが思いつかない理由は、主に以下の5つです。
- 最終キャリアのゴールが見えない
- スモールゴールが設定できていない
- ゴールが壮大すぎる
- スキルを過小評価している
- 完璧主義すぎる
例えば、新入社員がいきなり営業部長を目指すのは現実的ではなく、ゴールに至る過程もわかりづらいです。その場合はチームリーダーに目標を設定することで、現実的なキャリアプランを立てられます。反対にスキルを過小評価し過ぎて「自分には無理だ」とネガティブ思考になっており、キャリアプランが立てられない人もいます。その場合は、客観的にあなたのスキルを評価してくれる第三者へ相談しましょう。
キャリアプランが思いつかない方向けの対処法や考え方は、この記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
営業はキャリアプランを立てて戦略的に行動しよう
営業として成果を上げて、セルフイメージを叶えるならキャリアプランを立てて戦略的に行動しましょう。キャリアプランを立てることで、営業としての数値目標や目指すべきポジションが明確になり、毎日有意義に働けます。
ライフプランも同時に見据えてキャリアプランを立てることで、人生を含めたキャリア設計が可能となります。しかし中には、営業としてどうなりたいか思いつかないと悩んでいる人もいるでしょう。そんな方は、営業としての経験の深掘りや自己分析をサポートしてくれるキャリアコーチを利用するのもおすすめです。『Coachee(コーチー)』なら、1回1,000円からキャリアプランの作成にジャンルを絞って相談できます。
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