【事例付き】責任の取り方6Step!4つの種類や管理職の対応方法を解説

「成果物にミスがあって取引先に迷惑をかけてしまったけど、どのように責任を取れば良いのだろう?」

「部下がミスをしてしまったが、うまくフォローするための責任の取り方が知りたい」

このように悩んでいませんか?自分や部下のミスによりトラブルが発生したときは、どのように責任を取れば良いか悩んでしまいますよね。

そこで本記事では、責任の取り方を6つのステップにわけて詳しく解説します。また、管理職の対応方法や事例も説明するため、責任の取り方で悩んだ際に参考にしてください。

本記事で紹介する責任を取るときのポイントを押さえて、ミスやトラブルを挽回しつつ、印象を悪くしない方法を理解しておきましょう。

目次

ビジネスにおける責任とは?

責任とは、仕事における役割や義務を遂行するために必要な行動・結果に対して、他者や組織から説明や成果を求められる状態です。つまり、自分に与えられた義務を全うする意味合いが含まれています。ビジネスの世界で、責任という言葉は頻繁に使われます。

例えば、プロジェクトリーダーの責任は、プロジェクトを成功に導くために必要な行動を取り、メンバーをまとめ、期限内に質の高い成果物を提出することです。もし何か問題が発生した場合は、原因を究明し、解決策を講じる必要もあります。このように、責任ある立場の人は自らの行動に説明責任を負っています。

責任を果たすためには、役割をしっかりと理解し、求められる水準を満たすよう最善を尽くさなければなりません。困難な状況に直面しても、責任から逃げずに真摯に向き合う姿勢が重要です。真摯な対応をすることで、周囲からの信頼を得られ、キャリアアップにもつながるでしょう。

本項では、責任の種類や責任の概念を紹介します。

4つの責任

責任には、以下の4つの種類があります。現在取る必要のある責任を理解しておきましょう。

責任の名称内容
遂行責任「最後までやり切る」ことへの責任。目的達成のために複数の手段を講じて、最終的な成果を出すことプランAが失敗した場合、プランB、プランCと代替案を実行して目標を達成すること
説明責任目標達成過程で予定通りに進まない場合や、想定外の対応が必要になった際に、関係者が納得できるように説明すること予定していたスケジュールを変更せざるを得なかった理由と、新たな対応策について関係者に説明する
賠償責任立場や事態の重大性に応じて、不適切な結果に対する代償を負うこと社員の場合は減給や降格、経営者の場合は法的責任を負う
チームワークに対する責任個人の業務遂行だけでなく、チーム全体の成功に対して責任を持つこと自分の担当業務を確実に遂行しながら、チームメンバーのサポートや全体目標の達成に貢献する

上記のように、同じ責任でも種類が異なります。ミスやトラブル発生時に使われるのは、説明責任や賠償責任が多いでしょう。

その際は、単に謝るのではなく、次回以降に「どのように再発しないか」を説明し、行動で示す必要があります。

日本における責任の概念

日本社会では、責任という言葉が重く受け止められる傾向です。背景には、日本特有の文化的背景があると考えられています。

日本の組織では、責任の範囲や内容が明確でないまま、個人や部署に多くの負担が課せられる場合があります。職場や社会的な文脈で「責任を取る」ことがすべてを背負い込むような重い意味合いを持つ場合が多く、過度な負担を強いられるケースも多いでしょう。

曖昧な責任の割り当ては、本来組織全体で対処すべき問題を特定の個人の責任にしてしまう恐れがあります。その結果、担当者は思い悩むだけで、建設的な解決策を見出せなくなってしまうでしょう。

したがって、組織ではそれぞれの役割に応じた責任の所在を明確にしておくことが必要です。誰がどこまで責任を負うのかを共有しておけば、問題が起きた際にも冷静に対処でき、再発防止につながります。

責任の取り方6Step

責任の取り方を理解しておくことで、トラブル発生時の適切な対処につながります。問題解決や信頼関係の構築、さらには組織の成長にも寄与するため、責任ある行動は重要です。責任を取るためには、以下の6つのステップを踏みましょう。

  1. 問題を認識し原因を分析する
  2. トラブルの内容を報告する
  3. ミスや問題を認め謝罪する
  4. 対策を立案・実行する
  5. 再発防止策を考える
  6. チーム内や取引先に問題の内容や対策を共有する

本項では、責任を取るための6つの手順をステップごとに詳しく解説するため、トラブルが発生し対応に悩んでいる方は参考にしてみてください。

1.問題を認識し原因を分析する

責任を取るためには、起きてしまった問題や失敗を正しく理解し、受け止めましょう。問題を隠したり、他人のせいにしたりするのではなく、関係者へのヒアリングやデータ分析を通して、失敗に至った根本的な原因を明らかにしていく必要があります。

2.トラブルの内容を報告する

問題が明らかになったら、迅速に上司へ報告を行い、対応方針の指示を仰ぎましょう。その際は、現在生じている被害の状況や影響が及んでいる範囲を、できるだけ具体的に説明するようにしてください。

また、会社や取引先の損失を把握し対応策を練るために、これまでに発生した損害の規模も、正確に報告しなければなりません。

3.ミスや問題を認め謝罪する

問題の原因が明確になったら、関係者の方々に誠意を持って謝罪しましょう。謝罪の際は、言い訳をしたり責任逃れをしたりせずに、自分の非を素直に認めてください。

真摯な謝罪により、信頼関係を取り戻すきっかけになるでしょう。

4.対策を立案・実行する

問題への対処として、具体的にどのような改善を行うのか、スケジュールをどう立て直すのかを検討してください。対策の立案にあたっては、被害者や関係者が納得できる方法を見つけ出すよう努めましょう。

対策は、実現可能であると同時に、十分な効果が期待できるものでなくてはなりません。どの日程までにどのような対策を取るのかを数字を交えて説明しつつ、予想される成果も説明しましょう。

5.再発防止策を考える

同じような問題を二度と起こさないために、再発防止策を立てる必要があります。例えば、業務プロセスの見直しやチェック体制の強化、従業員への教育研修の実施などが再発防止策として考えられます。

6.チーム内や取引先に問題の内容や対策を共有する

最後に、問題の内容や原因、対策、再発防止策について、関係者全員で情報共有を図りましょう。部署内はもちろん、取引先の担当者とも認識を合わせておく必要があります。

情報の共有により、組織全体で足並みを揃えて問題防止に取り組めるようになります。

管理職における責任の3つの取り方

組織運営において管理職は、トラブルや問題が発生した際には、原因究明と改善策の立案・実行が求められます。

そのためには、管理職として適切な責任の取り方が必要です。本項では、管理職が責任を果たすための3つのポイントを解説します。

  • 組織的な観点から問題の背景や原因を明確に説明する
  • 改善策や今後の方針を具体的に示す
  • 関係者全員が同じ理解を持てるよう説明する

管理職における責任の3つの取り方を押さえて、トラブル発生時に適切に対応できるようにしましょう。

1.組織的な観点から問題の背景や原因を明確に説明する

管理職がトラブルに直面した時、組織全体の視点から状況分析を行いましょう。例えば、納期遅延や品質不良が発生した場合、担当者の能力不足や不注意だけが原因とは限りません。

業務分担やリソース配分の適切さ、教育・研修体制の充実度など、マネジメント面での課題も含めて多角的に検証する必要があります。問題の背景にある組織的な要因を洗い出し、明確に説明できるよう心がけましょう。

2.改善策や今後の方針を具体的に示す

問題の原因が特定できたら、次は改善策や今後の方針の具体的な提示が求められます。目先の対処だけでなく、中長期的な視点で組織体制を強化するためのアプローチが重要です。

品質管理の課題であれば、検査工程の見直しによる即効性のある施策に加え、品質管理システムを新しくしたり、専門人材を育成したりする取り組みを盛り込んでください。具体的な数値目標や評価指標、進捗管理の仕組みも併せて設定すると、実効性の高い改善活動を展開できるでしょう。

3.関係者全員が同じ理解を持てるよう説明する

管理職には、社内外のステークホルダー間で認識のずれが生じないよう、コミュニケーションを図ることが求められます。経営層に対しては、問題の影響度合いや改善策の投資対効果を定量的に示し、意思決定に必要な情報を提供する必要があります。

取引先や顧客に対しても、信頼回復に向けた具体的なアクションプランを提示し、継続的な関係性の維持・強化を図りましょう。関係者それぞれの立場や関心事を踏まえ、わかりやすい丁寧な説明を心がけて、問題解決に向けた協力体制の構築につなげましょう。

責任の取り方で押さえておきたい4つのポイント

責任を取る際には、さらなるトラブルや関係の悪化を避けるために、以下のポイントを理解しておく必要があります。

  • 辞めることは責任を取ることにつながらない
  • 言い訳や他責を避ける
  • 誠意ある謝罪をする
  • 失敗から学び、成長につなげる

本項では、責任の取り方のポイントをそれぞれ詳しく解説します。

1.辞めることは責任を取ることにつながらない

「責任を取る」という言葉から連想されるのは、辞めるなどの罰則や制裁を受けることかもしれません。しかし、退職によって組織に新たな負担がかかり、残されたメンバーの業務負荷が増大してしまう可能性もあります。

責任を取る際は、むしろ適切な説明責任を果たし、結果を出すことに置かれるべきでしょう。大切なのは、問題に正面から向き合い、解決に向けて具体的なアクションを起こすことです。

2.言い訳や他責を避ける

トラブルが起きたときは、原因を外部要因や他者のせいにしてしまいがちです。しかし、言い訳や責任転嫁は、問題解決を遅らせ、組織内の信頼関係を損なう結果となるため、避けましょう。

責任を取るには、自身の判断や行動を振り返り、問題における役割を認識する必要があります。そうすることで、業務プロセスや管理体制などの課題が浮き彫りになるはずです。言い訳や他責をせずに、自身のミスや落ち度を理解しつつ責任を認めましょう。

3.誠意ある謝罪をする

謝罪をする際、形式的な言葉だけでは相手の信頼を得られません。問題の本質を理解し、真摯に受け止める姿勢が大切です。

具体的には、何がどのように問題だったのかを説明しつつ、再発防止に向けた改善策を提示する必要があります。表面的な謝罪ではなく、誠意を込めた対応が、信頼関係の修復につながります。

4.失敗から学び、成長につなげる

問題が発生した際、原因を深く分析して得られた教訓を、今後の業務改善や人材育成に活かしましょう。それにより、自身や組織全体のミスを減らせて今後の対応力を高められます。

例えば、KPIの設定や業務プロセスの見直し、教育体制の強化など、具体的な施策を展開していきましょう。失敗を恐れず、成長していく姿勢が重要です。

【シーン別】責任の取り方の事例2選

ビジネスの現場では、プロジェクトの遅延や品質問題など、さまざまなトラブルに直面する場面があるでしょう。その際、置かれた状況やシーンによって、責任の取り方は、大きく異なります。

本項では、責任の取り方の事例を2つ上げ、それぞれの場面で求められる適切な責任の取り方を具体的に解説します。

  • プロジェクト遅延時の責任
  • 品質問題発生時の責任

本項で紹介する事例を参考にして適切な対応方法を確認しましょう。

1.プロジェクト遅延時の責任

プロジェクトの進捗が遅れてしまった場合、現状を正しく把握しましょう。「どの程度遅延しているのか」「原因は何か」「影響範囲はどこまで及ぶのか」を特定する必要があります。

原因と影響が明らかになったら、次は具体的な解決策を練ります。以下のような対応方法を検討しましょう。

  • スケジュールの見直し
  • 追加リソースの投入
  • 工程の簡略化など

その際、関係者に対して遅延の事実と挽回策を明確に説明し、理解と協力を求めましょう。

例えば、リソース不足が遅延の原因だと判明した場合、追加メンバーの確保や外部委託の活用などを提案し、新たな完了予定日を提示します。

2.品質問題発生時の責任

製品やサービスに品質の問題が発生した際は、即座に事実確認を行い、問題の影響範囲の特定に務める必要があります。重大な問題が見つかった場合は、速やかに対策チームを立ち上げ、原因究明と再発防止に着手しましょう。

また、品質管理体制の見直しも欠かせません。問題の発生を防げなかった原因を分析し、品質保証のプロセスや検査基準の改善を図りましょう。体制の強化により、同様の問題が再発するリスクを低減できます。

さらに、問題の影響が顧客に及んでいる場合は、誠意を持って説明と謝罪を行い、適切な補償を提示する必要があります。自社の落ち度を認め、見込まれる損害額を補償することを約束すると、信頼関係を取り戻せる可能性も高まるでしょう。

責任の取り方で悩んでいるならcoacheeへ相談を

トラブルが発生した際は、速やかに原因を分析しミスを認めて、関係者や顧客に対して誠意ある謝罪をしましょう。加えて、同様の問題が起こらないように再発防止策を考え、チーム内で共有する必要があります。

本記事で紹介した責任の取り方の6つの手順やポイントを押さえて、責任を取り、問題をスムーズに解決できるようになりましょう。

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