東京しごとセンターの評判は?ハローワークとの違いや活用法も解説
就職や転職、再就職の支援・サポート全般を行う東京しごとセンターをご存知でしょうか?
東京しごとセンターは、東京都が益財団法人東京しごと財団に委託して運営していて、就職や転職、再就職を目指している方は、年齢問わず利用ができます。
就職や転職と聞くとハローワークと思い浮かべる方も多いかも知れませんが、ハローワークと東京しごとセンターは、主としているサポート体制に違いがあります。
本記事では、東京しごとセンターがおこなっているサポート内容や評判、ハローワークとの違いを解説していきます。
本記事を読むと、東京しごとセンターが理解できます。ぜひ最後までご覧ください。
高橋 秀誓
キャリアコンサルタント
coachee株式会社 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
プロティアン認定ファシリテーター
キャリア相談プラットフォーム『coachee(コーチー)』運営者
明治大学卒業後、リテール、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。
求人広告、人材紹介、人材派遣、SESにおける、ソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事。エグゼクティブ,Web,IT,SI.HRにおけるリクルーティング支援、キャリア形成支援を行う。
相談実績は3500人以上。
東京しごとセンターとは?
東京しごとセンターとは、都民の雇用や就業を支援するために設立された施設です。
就職に役立つ知識やスキルを習得するためのセミナー、能力開発をおこなっていて求人情報提供、職業紹介まで対応しています。
就職相談/転職相談のほかにも、「起業・創業」、「多様な働き方(NPO・ボランティア等)」、「社会保険・年金」などの専門相談をおこなっています。
東京しごとセンターは誰が運営している?
東京しごとセンターは、公益財団法人東京しごと財団が東京都から委託を受けて運営しています。
公益財団法人とは、一般財団法人のうち行政庁から認められた法人のことで、法律で定められた23の公益目的事業を社会貢献することを目的にした法人のことです。
公益23事業 | |
1. | 学術及び科学技術の振興を目的とする事業 |
2. | 文化及び芸術の振興を目的とする事業 |
3. | 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業 |
4. | 高齢者の福祉の増進を目的とする事業 |
5. | 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業 |
6. | 公衆衛生の向上を目的とする事業 |
7. | 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業 |
8. | 勤労者の福祉の向上を目的とする事業 |
9. | 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的とする事業 |
10. | 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業 |
11. | 事故又は災害の防止を目的とする事業 |
12. | 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業 |
13. | 思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業 |
14. | 男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業 |
15. | 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業 |
16. | 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業 |
17. | 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業 |
18. | 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業 |
19. | 地域社会の健全な発展を目的とする事業 |
20. | 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業 |
21. | 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業 |
22. | 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業 |
23. | 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの。 |
東京しごとセンターへのアクセス
東京しごとセンターは千代田区に飯田橋にあり、「飯田橋駅」「水道橋駅」「九段下駅」それぞれが最寄り駅です。
【開館時間】 平日 午前9時~午後8時 土曜 午前9時~午後5時 日曜、祝日及び年末年始(12/29~1/3)はお休みです。
【電話番号】 03-5211-1571 ※各コーナー・施設でのサービス提供時間は上記と異なる場合があります。 各サービス案内でご確認ください。
東京都民でないと利用できない?
東京しごとセンターは、東京都民の雇用、就労を目的に設立されましたが、東京都内で仕事を探している人なら、東京都以外にお住まいの方も利用できます。
東京しごとセンターのサポート内容
東京しごとセンターで就職や転職の相談することができます。具体的には年齢別就職相談、女性の再就職相談、セミナー受講、成長産業分野キャリア形成支援事業、業界連携再就職プログラムなど、さまざまなサポート・支援をおこなっています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
年齢別就職相談
東京しごとセンターでは、年齢別に就職相談を受けられます。
29歳以下はヤングコーナー、30歳~54歳はミドルコーナー、55歳以上はシニアコーナーで区分されています。
年齢によって就職/転職難易度は変わり、一般的には年齢が上がるにつれて難易度も上がります。難易度が上がる理由は、企業が求める要件も年齢に応じて上がっていくためです。
例えば、未経験職種や未経験業種へのチャレンジは20代のほうが有利になる場合が多く、30代以上は即戦力人材、つまり未経験者採用は難しくなる傾向があります。
逆に即戦力人材を求めている企業であれば、30代以上の経験・スキルを持っている人のほうが有利になる場合も多くあります。
東京しごとセンターで区分されている、各年齢別の特徴を以下で紹介していきます。
ヤングコーナー
ヤングコーナーは、29歳以下の10代・20代を対象にしたコーナーです。
ヤングコーナーは、民間企業で人材業界大手のパーソルがカウンセリング業務とセミナー業務を請け負っています。パーソルは転職サイトのdodaや、人材派遣のテンプスタッフなど、人材に関わる領域では日本トップクラスの企業です。
正社員でいきなり就業を開始するのに不安な方は、紹介予定派遣などで就業先の雰囲気や実際の働き方を体験してから正社員雇用を目指す方法などがあります。
職業紹介、人材派遣のどちらも事業でおこなっているパーソルなら、紹介予定派遣での働き方も可能なため、積極的に利用しましょう。
就職や転職、人材派遣業で培ったパーソルの知見やノウハウを受けられるのは、東京しごとセンターを利用する大きなメリットの1つです。
ミドルコーナー
ミドルコーナーは、30歳~54歳の方を対象にしたコーナーです。ミドルコーナーもヤングコーナーと同じく、パーソルがカウンセリング業務、セミナー業務などを請け負っています。
本項目の冒頭でお伝えしたとおり、ミドル層の就職/転職は難易度が上がる傾向にあります。こんなときこそ民間で就職/転職支援実績を持つパーソルが担当してくれるのは、求職者にとってメリットです。
パーソルは転職サイトや転職エージェントとしての事業も行っているため、30代以上の方の支援実績も豊富にあります。
就職/転職の難易度が上がりやすいミドル層だからこそ、キャリアのプロであるパーソルの支援を受けたほうが良い結果を得られやすくなります。
シニアコーナー
55歳以上の方は、シニアコーナーに分類をされます。
シニアでの働き方は、他の年代とは違い正社員だけでなく業務委託や契約社員、アルバイト・パート、派遣など有期雇用での働き方視野に入れましょう。
シニアの方が持つ経験値とスキルは、まだまだ活かせる場面が多く必要としている事業所はたくさんあり、最近では外部顧問の募集など、従来ではあまり見られなかった求人も出てきています。
外部顧問とは、経験や知識を有する外部の専門家のことで、企業と契約を個別に締結してアドバイスをするなどの働き方です。
こういった、今までとは違った働き方も増えているため、情報収集や自分に合った働き方の相談に東京しごとセンターを活用する方法もあります。
女性の再就職相談
年齢別の就職/転職相談の他にも、女性の再就職相談も東京しごとセンターで実施しています。
女性は結婚や出産などで、勤めていた職場を退職や休職するなどのケースがあります。その後の就職や転職がスムーズに進めば良いのですが、前段でお話をした年齢が上がるにつれて就職/転職の難易度も上がる傾向にあるのは、女性にも例外ではありません。
こういった女性の再就職に関する相談を、東京しごとセンターでは受け付けています。
東京しごとセンター内には、キッズスペースも用意されており、お子様連れの方も安心して相談をしに行くことができます。
セミナー受講
東京しごとセンターでは、各種セミナーを開催しています。
起業・創業に関するセミナー、NPO・ボランティア活動に関するセミナー、自営型テレワークに関するセミナー、その他のセミナーなど多くの種類のセミナーがあります。
公式サイトでは、他にもさまざまなセミナーが毎週のように開催されている情報が見られますので、ご自身の興味・関心のあるセミナーにぜひ参加をしてみましょう。
成長産業分野キャリア形成支援事業
成長産業分野キャリア形成支援事業は、非正規の方などを対象にeラーニングや通信講座を活用した資格取得、スキル習得をおこない早期の再就職やステップアップ・就職支援を一体とし、成長産業分野への正社員就職を目指せます。
2024年時点4月時点で、IT業界、電子部品・半導体業界、エンタメ業界、EC業界、倉庫・物流業界・医療業界・フードデリバリー業界・農業業界・宇宙開発業界が今後成長していくと言われています。
成長産業分野にも関わらず人手不足になってしまっている業界もあり、これから学習や関連資格の取得を目指せる成長産業分野キャリア形成支援事業を受けるのは、検討すべき候補の1つかも知れません。
業界連携再就職プログラム
業界連携再就職プログラムは、受講料無料で年齢制限もなく、講習1日あたり5,000円の就活支援金が支給される※<sup>1</sup>、再就職を目指せるプログラムです。
新型コロナウイルス感染症の影響などで離職してしまった方に、実務経験豊富な各業界からの講師を呼び、講習や現場見学を通じて知識やスキルを学習できます。
建設業コース、介護コース、水道設備コース、ITコース、メディカル給食コースが用意されています。
それぞれのコースは開催期間があり複数日程で知識、スキルの習得を目指します。プログラムの最終日には企業との合同面接会も開催され、再就職までの最短ステップを踏める可能性があるプログラムです。」
※<sup>1</sup>:支給要件あり。詳しくは東京しごとセンターにお問い合わせください。
非正規から正社員を目指している方
非正規雇用から正規雇用を目指している方にも、東京しごとセンターは活用できます。
29歳以下の方を対象にした「若者正社員チャレンジ事業」、30歳~54歳の方を対象にした「Jobトライ」「就活エクスプレス」「東京しごと塾」などをはじめ、成長産業分野キャリア形成支援事業などをおこなっています。
それぞれ、正社員での就業を目指したセミナーや企業内実習プログラム、資格取得支援、デジタルスキルの取得支援など、スキルアップや実績を積んで正社員就業を目指せます。
正社員としての実務経験が短く自信が持てない、不安があるなどの悩みを持っている方は、上記のサポートを受けてみるのも良いでしょう。
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東京しごとセンターとハローワークの違い
東京しごとセンターとハローワーク、どちらも就職や転職に関するサポートを受けられる場所ですが、どういった違いがあるのでしょうか?
端的に違いを説明すると、「東京しごとセンターは『東京都』の委託」「ハローワークは『厚生労働省』」が運営していて、運営元が違います。
支援/サポート内容にも違いがあり、詳細は以下で解説をしていきます。
東京しごとセンターは就職/転職支援が中心
東京しごとセンターは、公益財団法人東京しごと財団が東京都から委託を受けて運営しています。
主な支援/サポート内容は、セミナーやキャリアカウンセリングなどを行い、就職/転職活動全般のサポートを中心に、求人紹介までおこなっており、就職/転職の入口から出口まで一貫してサポートを受けられます。
厚生労働省の運営するハローワークとも連携していて、ハローワークで扱っている求人情報を東京しごとセンターでも得ることができます。
ハローワークは仕事紹介が中心
ハローワークは厚生労働省が運営していて、職業紹介を中心にキャリアカウンセリングや就職/転職相談をおこなっています。
東京しごとセンター内のヤングコーナーには、「ハローワーク飯田橋U-35」が設置されており、34歳以下の方は職業紹介をしてもらうこともできます。
東京しごとセンターの評判
東京しごとセンターを利用した方の評判を、東京しごとセンターの口コミから紹介します。
東京しごとセンターは若手からシニアまで、幅広い年代の就職/転職支援をおこなっており、どんな方にもおすすめです。
就職/転職支援と聞くと、民間の転職サイトや転職エージェントを思い浮かべる方も多いかも知れませんが、東京都が委託元でさらに無料で利用できる東京しごとセンターも、以下の口コミを参考にぜひ検討してみてください。
東京しごとセンターの口コミ
【20代】の口コミ
「業界連携再就職プログラムに参加し、念願のITエンジニアに転職」
学生時代は公務員志望でしたが、携帯電話販売会社に就職しました。しかし、販売の仕事にどうしても馴染めず、半年で辞めました。友人がITエンジニアで、人材不足であると聞き、私もエンジニアに応募しました。
しかし面接で「何か勉強している?」と聞かれることが多く、上手くいきませんでした。このままでは厳しいと考え、業界連携再就職プログラムのITコースに参加。3か月間、プログラミングの勉強をし、無事に就職できました。
同社ご利用者の声より
上記の方は20代で、東京しごとセンターのプログラミング学習を受講して、無事に再就職をすることができたそうです。
早期離職は、企業から「またすぐに辞めてしまうのでは?」と懸念を抱かれてしまいがちで、再就職がうまく進まない場合があります。
業界連携再就職プログラムは、プログラム最終日に企業との合同面接会が行われるなど、就職支援体制に強みを持つプログラムです。
業界連携再就職プログラムを修了していれば、知識とスキルを習得したことを企業に効果的にアピールをできるため、再就職を目指す方におすすめのプログラムです。
【50代】の口コミ
転職活動の悩みは人によって多様ですが、私の場合は「転職する」と決めた後、「色々経験してきたキャリアをどう効果的かつ簡潔に職務経歴書にまとめるか」が分からず悩みました。SNSを通じ東京しごとセンターを知り、専任アドバイザーさんのカウンセリングを1カ月間で5回ほど受け、過去のキャリアと未来にやりたい事を適切な言葉で表現する事が出来ました。
翌月はいくつかの企業へ応募しながら短期集中プログラム「スタートセミナー」を受講しました。こちらでは「企業側のニーズを想定した上での自己PR文作成」や、「代表的な面接の質問に対する受け答えの作成」を学びました。
その後、今回志望した会社の面接を受ける事が出来、内定確定に至りました。本当に有難うございました。今後は仕事をする上でもここで学んだ事を活かし、自分も会社も今回の決断が絶対に良かったと思えるようにしたいです!転職活動は周りにオープンに出来ず、孤独や不安を感じる事も多いかと思います。また一つ一つが地道な作業で、多忙な中どこまでやればいいのか迷います。
でも、信じた道を進めば、いつか必ず願っているチャンスは訪れます。
より多くの方が良いご縁に巡り合える事をお祈りしております!
同社ご利用者の声
就職、転職の難易度が上がる50代の方でも、東京しごとセンターを通じて無事に内定獲得をされたようです。
こちらの方は、企業からの見られ方や面接対策をセミナーで実施されたようです。
就職活動と一言でいっても、活動内容は多岐にわたります。専任のアドバイザーから、その都度その都度適切なアドバイスやサポートを受けられるのは、就職活動のモチベーションにもなりますね。
まとめ
東京しごとセンターの評判や、ハローワークとの違いを解説、紹介してきました。
東京都が委託しているだけあって、民間の転職エージェントや人材紹介会社にはない、さまざまなプログラム、セミナーが開催されているのは意外に知られていない内容です。
本記事の内容を一言でまとめると、「東京しごとセンターは利用すべき」です。
どんな年代の方にもおすすめできて、料金や登録費用などがかからず金銭的なリスクがないのもおすすめできるポイントです。
就職や転職、再就職を目指している方は、ぜひ東京しごとセンターを積極的に活用していきましょう。
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