キャリアパスとは?メリットや具体例・よくある失敗と対策を簡単に解説

「将来の仕事のことを考えたいけど、キャリアパスって何?」
「今の仕事は自分に合っているのか不安…」
「キャリアアップしたいけど、具体的な道筋が見えない」
このような悩みを抱えていませんか?キャリアパスについて、詳しい内容や設計方法がわからない方もいるでしょう。
本記事では、キャリアパスとは何かや職種別の具体例、設計方法まで詳しく解説します。さらに、よくある失敗例と対処法も紹介するため、キャリアに悩む方必見の内容です。
本記事を読んで、自分らしいキャリアパスを作り、人生を充実させましょう。
キャリアパスやキャリアプランの立て方に悩んでおり、すぐにでも明確にしたい方にはcoachee(コーチー)をおすすめします。専門コーチがあなたのキャリアの悩みに合わせて解決策を一緒に考えてくれます。
教科書のように画一的な話ではなく、コーチの経験からオリジナルのアドバイスを受けられるため、悩み解決につながるでしょう。転職や仕事の人間関係に関する悩みも受けられますから、ぜひ一度相談してみてください。
キャリアパスとは?定義を解説
キャリアパスとは、企業内で目指す役職や役割を達成するために、身に付けるスキル・経験などを示すものです。例えば「○○部門で3年間Aの経験を積んだ後、2年間Bの経験を積み、△△の資格を取得したら□□職に昇格する」と、ある地位に就くまでに必要なスキルや経験をまとめたものです。
企業が従業員のキャリア形成を支援するために用意するのが一般的です。
必要な理由
昨今、従来の日本的な雇用慣行が変化しつつあり、年功序列に基づく昇進が保証されなくなりました。そのため、個人のキャリアも多様化が進んでいるのが現状です。こうした状況下で、社員が組織内でどのようなキャリアを描けるのかを明示する必要があります。
個人と企業の双方にとって、目指す姿を実現可能かどうかを示すツールとして、キャリアパスの必要性が高まっています。
種類
キャリアパスには、下記のように、さまざまな種類があります。
キャリアパスの種類 | 特徴 | 例 |
職種別キャリアパス | 特定の職種内でのスキルや経験を積み重ねる | プログラマー → シニアプログラマー → テックリード |
役職別キャリアパス | 組織内での役職や責任の範囲が拡大する | 一般社員 → 主任 → 課長 → 部長 |
業界別キャリアパス | 異なる業界間を移動しながらキャリアを構築する | IT業界 → 金融業界 → ヘルスケア業界 |
スキルアップ型キャリアパス | 継続的な学習と新しいスキルの習得に焦点を当てる | フロントエンド開発 → フルスタック開発 → AI/機械学習 |
このように企業の事業や従業員の特性に合わせて、多彩な形で設計できます。
キャリアプランとの違い
キャリアパスが企業主導の仕組みであるのに対し、キャリアプランは個人が主体的に考える将来の目標や計画を指します。キャリアプランでは、転職や独立など組織の枠を超えた選択肢も視野に入れられます。
つまり、キャリアパスは起業内でのキャリア形成に重きを置くのに対し、キャリアプランは組織にとらわれない広い視点でキャリアを考えます。
複線型キャリアパスについて
複線型キャリアパスとは、専門性を高める目的で、組織内での昇格や異動の道筋を複数用意する仕組みです。従来の日本企業では、管理職としてのキャリアパスが主流でしたが、専門職人材の活躍の場を設けたため、多様な人材のニーズに応えられるようになりました。
それにより、社員の多彩な能力を引き出し、強みを発揮できる環境へとつながります。複線型キャリアパスの導入により、柔軟で魅力的なキャリア形成が可能になったと言えるでしょう。
キャリアパスを設計するメリット3選
キャリアパスを明確に設計すると、従業員にとって以下のようなメリットがあります。
- 目標達成までの道筋が明確になる
- モチベーションが高まる
- 自信の強みを再発見できる
メリットを理解して、キャリアパスを描く際の参考にしてください。
1.目標達成までの道筋が明確になる
キャリアパスにより、目指す役職や役割に就くまでの流れが可視化され、やるべきタスクが明確になります。現在の業務と将来の目標が結びつくと、仕事への意欲が高まり、生産性の向上につながるでしょう。
山登りで言えば、頂上までのルートがわかっているからこそ、迷わず着実に登っていけるのと同じです。目の前のタスクに集中しながらも、ゴールに向かって着実に進められるでしょう。
2.モチベーションが高まる
自分の将来像と道筋が明らかになると、仕事へのモチベーションが高まります。日々の業務と将来の自分とのつながりを意識できるからです。目標に向かって努力する原動力となり、充実したキャリア形成が期待できるでしょう。
それにより、チャレンジングな仕事にも前向きに取り組めるようになるはずです。企業で頑張る意味や意義を実感でき、長期的な活躍にもつながります。
3.自信の強みを再発見できる
キャリアパスは、従業員の適性も考慮されて設計されます。そのため、普段は意識していない自分の強みを再認識するきっかけにもなり得ます。「このような能力が評価されていたのか」と新たな発見があれば、自信にもつながるでしょう。
さらに、自分の強みを活かして仕事できるため、成果を出しやすくなるメリットもあります。
【職種別】キャリアパスの具体例
「キャリアパスについて理解したが、具体的にどのように立てれば良いかわからない」という方に向けて、具体例を解説します。
- 営業職のキャリアパス
- エンジニアのキャリアパス
- 介護・福祉業界のキャリアパス
以下の項で詳しく解説します。
1.営業職のキャリアパス
営業職のキャリアパスの一例として、以下のような流れが考えられます。
- 初級~上級営業担当
- 営業マネージャー
- 営業ディレクター
まず、新規開拓や既存顧客フォローを担当する初級営業からスタートです。中級になると、大口顧客の獲得や営業戦略の立案など、より責任のある業務を任されるようになります。
上級になれば、チームのマネジメントや戦略的な営業活動の推進役として活躍の場が広がるでしょう。そして、営業マネージャーとして部門の統括や、ディレクターとして全社の営業戦略を担うポジションへとステップアップしていきます。
2.エンジニアのキャリアパス
エンジニアの場合、以下のようなキャリアプランがあります。
- ジュニアエンジニア
- シニアエンジニア
- テクニカルリーダー
- アーキテクト
- テクノロジーマネージャー
ジュニアエンジニアとして開発業務の基礎を学んだ後、徐々により高度なプロジェクトをこなせるようになります。
シニアエンジニアになると、技術的な指導も求められるようになるでしょう。その後は、プロジェクトを成功に導くリーダー役や、システム設計を担うアーキテクトへのキャリアが考えられます。さらには、技術チーム全体のマネジメントを担うポジションを目指すのも選択肢の一つです。
3.介護・福祉業界のキャリアパス
介護職の場合、本人の適性や志向性に応じて多様なキャリアプランが考えられます。
- リーダーや主任、施設長など
- スペシャリスト
- 介護サービス事業の立ち上げ
現場での経験を積んだら、スタッフの教育や施設運営などの仕事をするキャリアパスが考えられます。より多くの責任が伴いますが、介護現場を良くしていくためのリーダーシップを発揮し、質の高いケアの実現に貢献できます。
専門性を高めたい方には、認定資格を取得し、介護福祉士や介護支援専門員を目指す方法もおすすめです。介護業界の課題を解決するサービスを立ち上げる選択肢もあるでしょう。
経験を積みながら、どのようなキャリアを描くのか、自身の強みを活かせる領域を見極めましょう。ロールモデルを参考にしつつ、自分なりのキャリアパスを描いてください。
ちなみに、年代別のキャリア形成の具体例は以下の記事で解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
【年代別】キャリア形成の具体例とは?必要な5つのスキルや考え方を解説
自分に合ったキャリアパスの書き方5ステップ
企業が用意するキャリアパスがない場合や、自分に合わないと感じる場合は、自ら設計してみましょう。以下の5つのステップを踏んでみてください。
- 現在の立ち位置を確認する
- 目指したい将来像を具体化する
- 必要なスキル・資格を洗い出す
- 期日・プロセスを設定する
- 定期的な見直しと軌道修正を行う
以下の項で詳しく解説します。
1.現在の立ち位置を確認する
まずは、スタート地点となる現在の自分を客観的に分析します。以下の項目を洗い出し、自己理解を深めましょう。
- 強み・弱み
- 価値観
- これまでの経験
その際に、仕事で成果を出せた経験や、やりがいを感じた業務を振り返るのも効果的です。業界動向や市場価値を把握し、自分の現状や課題を明らかにしましょう。
2.目指したい将来像を具体化する
次に、3年後や5年後、10年後の自分をイメージします。将来のあるべき姿を言語化すると、目指す方向性が定まるためです。漠然としたイメージから、少しずつ輪郭が明確になるでしょう。
どのような立場で、どのようなスキルを持っているかをなるべく具体的に描いてください。
理想のロールモデルを参考にしたり、逆にやりたくないものをリストアップしたりすると、将来像がより明確になるでしょう。
3.必要なスキル・資格を洗い出す
将来像が明確になったら、現時点で不足しているスキルを特定し、目標を達成するために必要なスキルや資格を書き出します。専門知識や技術、リーダーシップ、語学力など、思い当たるものを幅広く挙げてください。業界や職種特有の資格があれば、押さえておきましょう。
また、どのように身につけるかも考えてください。研修の受講やオンライン学習、実務を通じた習得など、具体的なアクションプランを立てましょう。
4.期日・プロセスを設定する
目標達成に向けた期日やプロセスを設定します。短期・中期・長期にわけて、それぞれの時期に何を成し遂げるかを明確にしましょう。
例えば「1年以内に資格取得、3年以内にリーダーへの昇格」と、段階的な目標を立てます。
また、目標設定には、具体的な数値や指標を含めることが効果的です。具体的には「顧客満足度を現在の85%から90%に向上させる」「新規プロジェクトを2件以上主導する」といった明確な指標を設定しましょう。
5.定期的な見直しと軌道修正を行う
設定したキャリアプランは環境変化や価値観の変容に合わせて、定期的に見直ししてください。半年に一度など、一定の期間ごとに振り返りの機会を設けましょう。
その際は、当初の計画どおりに進んでいるかや、方向性に修正はないかを確認してください。状況の変化に応じて、柔軟にプランを変更することが大切です。
キャリアパス設計でよくある2つの失敗と対処法
自分に合ったキャリアパスを設計する際によくある失敗として、以下の2点が挙げられます。
- 視野が狭くなりすぎる
- キャリアパスとキャリアプランにギャップがある
以下の項で詳しく解説します。
1.視野が狭くなりすぎる
キャリアパスはあくまで道筋に過ぎません。とらわれ過ぎると、かえって視野が狭くなる恐れがあります。柔軟な発想が制限され、本来の適性や将来の可能性に気づけなくなるリスクもあります。
したがって、立てたキャリアパスを忠実に守るだけでなく、ときには枠にはまらない選択肢も視野に入れるべきでしょう。業界情報を広く集めたり、社外の人脈を広げたりするなど、視野を意識的に広げてください。
2.キャリアパスとキャリアプランにギャップがある
会社が提示するキャリアパスと自身の理想にズレを感じる場合もあります。その際は、過去を振り返ってみましょう。これまでの業務の中で、やりがいを感じたのはどのような時だったかを考えて、自分の適性を探ることをおすすめします。
例えば、営業職として、顧客から企画を褒められた経験が印象深いなら、企画職の適性があるのかもしれません。気づきを得たら上司に相談し、キャリアパスの修正を検討してみてください。組織の理解を得ながら、理想と現実のギャップを埋めていきましょう。
キャリアパスに悩んだらcoachee(コーチーへ)へ相談を
キャリアパスとは、目標とするポジションまでの具体的な道筋です。組織内で身につけるべきスキルや経験を明確にし、どのように成長するのかを示す指針となります。
しかし、自分1人でキャリアパスを考えるのは簡単ではありません。特に入社間もない若手社員や転職を検討している方にとって「今後のキャリアをどう築くべきか」「今の仕事は自分に合っているのか」といった悩みは尽きないでしょう。
また、管理職や専門職など、複数の選択肢の中からどの道を選ぶべきか迷う場合もあるはずです。
このように迷ったときは、プロのキャリアコーチに相談するのも一つの方法です。
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