キャリア相談とは?カウンセリングを申し込む前に知っておきたい情報まとめ

働き方が多様化した現代では、仕事に関する悩みをもつ人が多く存在します。Job総研の2022年キャリアに関する意識調査では、アンケートに回答した20~50代のうち7割が「キャリアに関する悩みがある」と回答しました。このことから、「キャリア相談」に興味を持つ方は少なくないと考えられます。

そこで、この記事ではキャリア相談の概要やメリットを解説します。併せて相談の流れや準備など、キャリア相談をする前に知っておきたい情報もまとめました。キャリア相談に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

記事の監修者:高橋 秀誓
coachee株式会社 代表取締役 高橋 秀誓のプロフィール写真

高橋 秀誓
キャリアコンサルタント

coachee株式会社 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
プロティアン認定ファシリテーター
キャリア相談プラットフォーム『coachee(コーチー)』運営者

明治大学卒業後、リテール、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。
求人広告、人材紹介、人材派遣、SESにおける、ソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事。エグゼクティブ,Web,IT,SI.HRにおけるリクルーティング支援、キャリア形成支援を行う。
相談実績は3500人以上。

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目次

キャリア相談とは?

キャリア相談とは、キャリア形成をサポートするものです。具体的には、カウンセラーが相談者の悩みをヒアリングして整理し、アドバイスを行います。相談者は自身や仕事への理解を深めることができ、スキルの向上や職業選択、人生設計など自主的な行動を起こせるようになります。このことが、自分らしいキャリアの構築につながるのです。

厚生労働省の「令和4年能力開発基本調査」によると、令和3年度中にキャリアコンサルタントを受けた人は労働者全体で10.5%でした。10人に1人以上がキャリア相談を受けており、自分のキャリアと向き合う人が少なくないことがわかります。

キャリア相談の重要性が高まっている背景

労働者の環境が大きく変わっていることが、キャリア相談の重要性が高まっている理由です。これまでは、一度就職したら長期間雇用されることが保証されていました。そのため、働く人のキャリアの目標は、企業の示す能力開発・向上や配置転換に従って企業内で昇進していくことだったのです。

しかし、近年はグローバル化や技術の進展、顧客ニーズの多様化など経済社会環境が変わり続けています。このことから、変化に対応できない企業は、規模の大きさに関わらず倒産するリスクが出てきました。また、高齢化によって働く期間が長期になったことで、キャリアプランも多様化しています。

上記のことから、現代の労働者は職業人生を企業まかせにするのではなく、自主的に職業スキルを習得しキャリアを形成していく必要性があります。そして、個人が企業の枠にとらわれずにキャリアを考えるための的確な職業情報提供や自己理解の支援などを行うキャリア相談の重要性が高まっているのです。

参考:キャリア形成を支援する労働市場政策研究会報告書|厚生労働省

相談できる内容

キャリア相談では、仕事全般の相談ができます。具体的な相談できる内容は、以下のとおりです。

  • キャリアプランの検討・設計
  • 自己分析(スキルの棚卸し・仕事の適性)
  • 転職の検討
  • 転職活動の進め方
  • 職業選択
  • 職業に関する情報
  • スキルアップの方法(資格・自己啓発)
  • 入社試験対策
  • 副業・起業 女性特有の悩み(出産・育児による休職・復職)

悩みを解決するだけでなく、自分で考えたキャリアプランをキャリアのプロに見てもらったり、スケジュールの組み方を教えてもらったりすることも可能です。

キャリア相談の利用をおすすめするのはこんな人

キャリアカウンセリングの利用を特におすすめするのは、以下の人です。

  • 今の仕事に不満がある人
  • 将来が不安な人
  • もっと収入を上げたい人
  • 自分の適職・適性を知りたい人
  • より良い仕事をするためにスキルアップしたい人
  • キャリアの専門家からアドバイスがほしい人
  • 家庭と仕事の両立に不安を抱えている人
  • 転職を成功させたい人
  • 身近に仕事の相談をできる人がいない人
  • 職場での人間関係や環境の変化に悩んでいる人
  • キャリアプランを考えたい人

キャリア相談は、自分のキャリアと向き合う機会になります。年齢や勤続年数にかかわらず、だれでも利用できるサービスです。仕事で不安を感じたときやキャリアプランを考えたいときは、カウンセリングの利用を検討しましょう。

キャリア相談をする5つのメリット

キャリア相談のメリットは、現状を整理して解決策がわかることです。一人で悩むこととカウンセリングで他者と解決策を考えることの違い、また具体的なメリットを以下5つ紹介します。

  • 仕事の不安や悩みが整理できる
  • 自己分析ができる
  • 目指すキャリアが明確になる
  • キャリア形成に向けてやるべきことがわかる
  • 働くことのモチベーションが上がる

一つずつ解説します。

仕事の不安や悩みが整理できる

一人で時間をかけて悩んだのになかなか解決策が思いつかず、「どうしよう」と不安が大きくなったことはありませんか。頭の中が悩みでいっぱいになって焦りを感じたり、落ち込んだりすることもあるでしょう。

キャリア相談では、カウンセラーに悩みを言語化して伝えます。自分の思いを言葉にすることで、不安の正体や悩みの原因が明確になります。また、カウンセラーが客観的に状況の整理もしてくれるので、相談後は頭の中が整理されているでしょう。

自己分析ができる

自己分析ができることも、キャリア相談のメリットの一つです。

相談は会社や家族、友人といった日常的な関係のないカウンセラーと行います。そのため、「こんなことを言うと悪い印象をもたれるかも…」といった心配なく、自由に自分の思いを話せます。正直に話していくうちに、本当の気持ちや大切にしたい価値観に気付けるのです。

また、カウンセラーは客観的なアドバイスを行います。そこから自分の強みや弱みなどが見えてきて、より自己理解が深まることもあります。

目指すキャリアが明確になる

現在の悩みや問題を明確にして自己理解を深めることによって、自分がどのようなキャリア形成をしたいかが見えてきます。

不安や悩みはネガティブなものに思えますが、解決策や目指したい将来が見えてくると、ポジティブな原動力に変わります。カウンセリングを受けることで、悩みは悪いことではなく、良くなるためのきっかけになることを実感できるでしょう。

加えて、キャリア設計に自信がもてない場合でも、カウンセラーがサポートをしてくれます。中長期的なプランはもちろん、短期的な目標も立てることが可能です。

キャリア形成に向けてやるべきことがわかる

目指すキャリアが決まると、目標に向けてやるべきことがわかります。カウンセラーとの対話をすることでキャリア構築に必要な行動が自分で気づけるのです。

また、カウンセラーから習得すべきスキルや起こすと良い行動などのアドバイスや目標達成のためのスケジュールの相談などもできます。

理想のキャリアパスを描くだけでなく、プロ視点の実践的な助言がもらえる点もカウンセリングを受ける大きなメリットといえます。

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働くことのモチベーションが上がる

キャリア相談後は、仕事への意欲があがることも特長の一つです。実際に、厚生労働省「令和4年能力開発基本調査」では、キャリア相談が役立った正社員の51.1%が「仕事に対する意識が高まった」と答えてます。仕事と自分への理解が深まり、目指すキャリアと起こすべき行動がわかることで、働くことのモチベーションがあがるのです。

また、不安や不満、ため込んでいる思いなどを他者に聞いてもらうだけでもリフレッシュできます。頭の中がスッキリすると、今後のことにも前向きに考えやすくなります。

今の仕事や転職活動に積極的に取り組めるようになることで、より自分らしいキャリアパスに近づけるでしょう。

キャリア相談を申し込む前に知っておきたい5つのこと

キャリア相談をしてみたいと思うものの、サービスの選び方や相談の準備などわからないこともあるでしょう。

ここでは、キャリア相談を申し込む前に知っておきたいことを以下5つ紹介します。

  • キャリア相談の有料と無料の違い
  • キャリア相談の流れ
  • キャリア相談を行う前の準備
  • キャリア相談を受ける心構え
  • 自分と合う相談員の見つけ方

順に解説します。

キャリア相談の有料と無料の違い

有料の相談と無料の相談の大きな違いは、転職を前提としているかどうかです。

無料のキャリア相談は、転職エージェントやハローワークなど職業紹介事業で行われることが多く、「転職のための相談」であることがほとんどです。そのため、無料のキャリア相談は基本的に転職先を決めるまでの短期的なサポートといえます。また、相談スタッフは求人情報や転職活動には詳しいものの、長期的なキャリア形成のための知識には疎いことも少なくありません。

一方で、有料のキャリア相談は「中長期的なキャリア形成を支援するための相談」です。よって、相談内容は転職に限らず、キャリアの棚卸しや適性検査などを含めた自己分析や仕事理解、スキルアップの方向付けなどの相談も可能です。相談スタッフは国家資格のキャリアコンサルタントを保有している、またはキャリア形成の支援経験が豊富な人材が担当します。

希望に合う転職先を知りたい場合は無料のキャリア相談、転職に限らずキャリアに関する幅広い相談をしたい場合は有料のキャリア相談がおすすめです。

キャリア相談の流れ

キャリア相談の流れは、以下のとおりです。

  1. 現状の把握、悩みや課題を整理する
  2. 経歴やスキルの棚卸し、自己分析を行う
  3. キャリアビジョンを明確にする
  4. 目指すキャリアを実現するためのプラン・目標を決める

相談内容によって変わることもありますが、一般的には現状を整理して仕事や自分の理解を深め、今後の行動を決めていく流れが多いでしょう。

相談後は、目標達成の行動を起こしながら定期的にキャリアプランの見直しや目標達成度など、振り返りをすることが大切です。その際もキャリアカウンセリングを利用すれば、キャリアのプロからアドバイスがもらえます。

キャリア相談を行う前の準備

相談時間を有効に活用するためには、自身の経歴と不安・悩みなどをまとめておきましょう。 カウンセラーは相談者が悩みを整理できるよう質問をしてくれますが、ざっくりと相談内容を書き出しておくことでスムーズに相談できます。

また、キャリアのプロに聞いておきたいことなどを書き出しておくと、聞き忘れを防止できるのでおすすめです。

キャリア相談を受ける心構え

キャリア相談では、「本当の気持ち」を隠さずに話すことが大切です。

人によっては、「今の給与じゃ不満なんて言いづらい」「自分で選んだ仕事をつまらないって言ってもいいのかな」など、他者に話しにくい悩みをもつこともあります。しかし、カウンセラーはキャリアに関するプロなのでさまざまな悩みを受け止めてくれます。

正直に話すことで、カウンセラーは相談者の気持ちや状況を正確にくみ取ることができ、より的確なアドバイスをもらえます。

自分と合う相談員の見つけ方

相談内容とカウンセラーの得意とする分野が合っていなければ、効果的なカウンセリングは受けられません。そのため、キャリア相談を申し込む前にカウンセラーのプロフィールは確認しておくことをおすすめします。経歴や相談実績などを見て、自分の悩みにマッチしているか見てみましょう。

また、口コミの閲覧ができる場合はチェックしておくと、カウンセラーの人柄がわかります。 加えて、実際にキャリア相談をして、カウンセラーと相性が悪いと感じたら変更を検討しましょう。

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キャリアに関する悩みはキャリア相談で解決しよう!

「今の仕事を続けていていいのかな」など、仕事の悩みを抱える人は少なくありません。中には、将来に不安を感じる人もいるでしょう。悩みや不安を持つことは悪いことではありません。仕事や自分と向き合う良い機会ととらえましょう。

とはいえ、一人で悩みを抱え込むと、解決策を思いつけずに落ち込むこともあります。悩み続けると、働くことがつらくなってしまいます。そうなる前に、キャリア相談を利用しましょう。

キャリアカウンセリングでは、自分の気持ちや状況を整理できます。目標達成のための行動などのアドバイスももらえるので、前向きに仕事に取り組めるようになります。また、カウンセラーに話すだけで心がスッキリすることもあります。

納得できるキャリアを形成したい人、仕事に悩みがある人は、キャリア相談をしましょう。

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