【事例あり】キャリアの棚卸し方法4Step!転職に活かす方法や成功のコツも解説

「就職して数年経ったけど、このままジェネラリストとして続けるべきか迷っている」
「同期が専門性を活かしてキャリアアップする中、自分の強みが見えなくなってきた」
「技術職からマネジメント職への移行を考えているが、今後の方向性に確信が持てない」

キャリアの転換期に、このような不安や迷いを感じている方は少なくありません。経験やスキルを見直し、自分の市場価値を正確に把握したいと考えているはずです。

そこで本記事では、キャリアの棚卸し方法を4つのステップで詳しく解説します。未経験職種への転向や経験年数が少ない場合の対処法も紹介するため、将来のキャリアプランに悩む方に役立つ内容となっています。

本記事を参考に、自分の強みを再発見し、明確なキャリアビジョンを描いていきましょう。

「今後のキャリアを考えたいけど、キャリアの棚卸し方法がわからない」という方には、キャリア相談プラットフォームのcoachee(コーチー)をおすすめします。さまざまな業界のコーチがいるため、自分の状況やなりたい姿に合わせてキャリア相談が可能です。

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目次

キャリアの棚卸しとは?

キャリアの棚卸しは、社会人としての経験やスキルを体系的に整理する取り組みを指します。スーパーマーケットで商品を整理・把握するように、自分の経験や能力を詳細に見直すプロセスです。

普段の職務への取り組み方や仕事で得たことを丁寧に整理すると、見落としていた強みや苦手分野が明らかになります。また、自分が本当にやりたい仕事や目指したい方向性も見えてくるはずです。

このように、将来のあり方を考えることに役立つキャリアの棚卸しですが、実践している人は少数です。実際に、転職経験者を対象にした調査によると、定期的なキャリアの棚卸しを実施している人は全体の17.1%にとどまりました。世代別では20代の実施率が32.8%と高く、若い層ほど積極的に取り組んでいます。

キャリアの棚卸しは、転職活動やキャリアの方向性に迷った際に実施するのが一般的です。網羅性を重視する場合は、四半期単位で経験を振り返り、整理していくと効果的な棚卸しができます。

出典:定期的なキャリアの棚卸しを実施している転職経験者は17.1%、Sansan株式会社調査

自己分析との違い

キャリアの棚卸しは、過去の経験から自分に何ができるのかなどを整理する作業です。自分の持っている経験やスキルを一つずつ確認していきます。

自己分析はその先のステップで、棚卸しで整理した情報をもとに、自分らしさや価値観を深く掘り下げていく作業です。例えば、なぜその仕事で結果を残せたのか、どのような環境で力を発揮できるのかなど、内面的な部分まで分析します。

棚卸しが現状把握のための作業なら、自己分析は将来に向けた自己理解を深めるプロセスです。職務経歴書に書ける経験を整理するだけでなく、経験を通じて得た気付きや成長も明らかにしていきます。

必要な理由

キャリアの棚卸しが必要な理由は、自分の経験やスキルを正確に把握すると、現在の強みを活かせる職種や、目標達成に向けて補うべき知識・経験が明確になるためです。

また、職務経歴書作成や面接対策にも活用でき、転職活動のミスマッチを防ぐ効果も期待できるため活用されています。

【事例あり】キャリアの棚卸し方法4Step

キャリアプランを決めるためには、じっくりと時間をかけた棚卸しが求められます。2~3週間を目安に進めていくとよいでしょう。

本項では、キャリアの棚卸し方法を4Stepで解説します。

  • これまでの経験や実績などを書き出す
  • 仕事において感じた感情を書き出す
  • 成功要因を分析し強みとして書き出す
  • フォーマットにまとめる

具体的な例も交えて解説するため、どのように実践するのかを考えながらチェックしてみてください。

1.これまでの経験や実績などを書き出す

社会人生活のスタートから現在まで、所属組織や業務内容が変化したタイミングごとに区切りをつけて整理していきます。各時期での業務内容や役割、担当した時期を明確にしながら、実績や習得したスキルを書き出しましょう。

工夫した点ややりがいを感じた場面も忘れずに記録します。実績は具体的な数値で表現すると、第三者にもわかりやすい形で残せます。

具体的には、下記の項目に分類して記載しましょう。

  • 所属
  • 業務内容・役割・時期
  • 成果・実績
  • 習得した経験・スキル
  • 工夫した点
  • やりがいを感じた点

細かく振り返るために、詳細に記載するのがポイントです。

2.仕事において感じた感情を書き出す

これまでのキャリアを記載する際は、仕事の事実関係だけでなく、業務に取り組んでいた際の考えや意識も書き出していきます。業務で意識的に取り組んできた点や頑張ってきた部分を具体的に言語化すると、後の自己PR作成時に役立ちます。

また、自分がどのような仕事に意欲的に取り組めるのかを判断する材料にもなるでしょう。

3.成功要因を分析し強みとして書き出す

次は、上手くいった案件や高評価を得た業務の成功要因を分析していきます。「徹底的な事前リサーチ」や「上司との密な連携」など、仕事において評価された取り組みを具体的に書き出しましょう。

さらに、人間関係の築き方や周囲からの評価など、多角的な視点で分析を進めます。自分の成功パターンが見えてきたら、強みとして文章化していきましょう。

4.フォーマットにまとめる

収集した情報を下記の項目に分類して整理します。

項目記入内容例記入のポイント
勤務先・職種株式会社ABC・システムエンジニア会社名と職種を明確に記載
経験した業務名・業務内容ECサイト開発プロジェクト:
要件定義、設計、実装、テスト
具体的なプロジェクト名と担当フェーズを記載
ポジション・役職名プロジェクトリーダー(5名体制)役職と規模感を併記
期間2020年4月~2022年3月(2年間)期間は年月で明確に
得られたスキル・経験・Java, SpringBootによる開発スキル
・チームマネジメント経験
・アジャイル開発手法
技術面とソフトスキルの両方を記載
実現した実績・売上30%増加
・システム処理速度50%改善
・運用コスト20%削減
数値で具体的に示す
失敗や教訓スケジュール遅延を経験し、進捗管理の重要性を学習失敗から得た学びを前向きに記載

また、成功要因や業務を通じて感じたことなども加えていくと、内容を網羅した棚卸し資料が完成するでしょう。

一人でのキャリアの棚卸しが上手くいかない場合は、特定の業界に知見のある人に相談することがおすすめです。coachee(コーチー)なら、キャリア形成に関する相談に乗ってくれるコーチを探せるため、キャリアの棚卸しに悩んでいる方に向いています。

転職や仕事に関する相談にも乗ってくれるため、抱えているさまざまな悩みを解決しやすいでしょう。

気になる方は、以下のサイトでサービス内容をチェックしてみてください。

キャリアの棚卸しを転職に活かす3つの方法

棚卸しで得た情報は、転職活動を効果的に進めるために活用できます。下記の方法を実践して転職にいかしましょう。

  • 結果からキャリアの方向性やプランを明確にする
  • 職務経歴書などの応募書類を作成する
  • 強みや仕事における価値観をもとに自己PRを作成する

実践的な活用方法を順を追って解説していきます。

1.結果からキャリアの方向性やプランを明確にする

具体的な業務内容と自分の気持ちや考え方を整理したら、今後の方向性を定めていきましょう。やりがいを感じた経験から、転職先でも活かせる強みを見出してください。

そして強みを活かせる職種を検討し、自分の価値観に合う企業を探していきます。例えば、営業職として経営課題の分析や提案が得意だと気付いた場合、コンサルタントとしての転職も視野に入れられます。

棚卸しを通じて得られた気付きは、今後のキャリアプランを具体化する貴重な材料となるでしょう。

2.職務経歴書などの応募書類を作成する

時系列で整理した経験は、履歴書や職務経歴書の作成に直接活用できます。履歴書では在籍企業名と入退職の履歴を記載し、スペースがあれば所属部署や業務内容も簡潔に追記しましょう。

職務経歴書は決まったフォーマットがないため、応募する業界や職種で活かせる経験を中心に構成を組み立てていきます。棚卸しで洗い出した業務内容から、転職先で役立つ経験を選んで記載しましょう。

3.強みや仕事における価値観をもとに自己PRを作成する

キャリアの棚卸しでわかった強みなどは、応募企業の求める人材像に合わせて、アピールしましょう。自己PRは「強み」「具体的なエピソード」「転職先での貢献可能性」の3つの要素で構成すると説得力が増します。

例えば、事務職ならパソコンスキルだけでなく対人折衝力など、バランスの取れた内容を盛り込みます。100文字から200文字程度で具体的な実績を交えながら、自分らしさが伝わる文章を心がけましょう。

キャリアの棚卸しを成功させる5つのコツ

本項では、棚卸しを効果的に進めるためのポイントを、具体的な手法とともに解説します。実践的な方法を意識すると、より充実した振り返りが実現できます。

  • ノートや紙に書き出す
  • SWOT分析などのフレームワークも活用する
  • 優先度や順位をつける
  • 結果と過程を重視する
  • 自問自答で回答を深掘りする

以下の項で詳しく解説します。

1.ノートや紙に書き出す

キャリアの棚卸しを効果的に行うには、ノートや紙に手書きで記録を残す方法が最適です。紙によるメモは創造的な思考を促進する効果があるためです。頭に浮かんだアイデアを自由に書き留められ、情報の整理や見直しが容易になるでしょう。

例えば、業務経験を時系列で書き出す際、矢印や吹き出しを使って関連性を示したり、重要な成果は赤字で強調したりと、視覚的な工夫が可能です。

付箋紙を活用すれば、営業実績は青、企画立案は黄色のようにカテゴリごとに色分けした整理もできます。

参考:PRTIMES「実証実験第1弾「紙に書くことは創造力を養う」東京外国語大学 岡田昭人教授監修

2.SWOT分析などのフレームワークも活用する

キャリアの棚卸しを体系的に進めるには、SWOT分析などのフレームワークの活用が有効です。自己分析を深め、見落としがちな要素まで把握できるからです。

具体的には、下記のように分析していきます。

SWOT分析内容
強み(Strength)プレゼンテーション能力が高く、新規提案の成約率80%
弱み(Weakness)プログラミングスキルが初級レベル
機会(Opportunity)DX需要の高まり
脅威(Threat)AI技術による業務代替

このように、体系的な分析手法により、漠然とした経験や実績が明確な強みとして浮かび上がってきます。

3.優先度や順位をつける

キャリアの棚卸しで見出した要素には、優先順位をつけましょう。重要度によって分類すると、転職活動やキャリア開発で注力すべきポイントが明確になります。

分類方法としては、A・B・Cなどのランク分けが効果的です。Aランクには「新規事業の立ち上げ経験」「売上200%達成」など、アピールしたい実績を配置します。Bランクには「日常的な営業活動」「定例会議の運営」などの基本業務を入れていきます。

さらに、Cランクで「マネジメント系」「企画系」などのジャンル別の分類も加えると、自分の得意分野や経験が一目瞭然です。優先順位とジャンルを組み合わせた整理により、効果的なアピールポイントが見えてくるはずです。

4.結果と過程を重視する

キャリアの棚卸しでは、目に見える成果だけでなく、業務に取り組んだプロセスも重要な要素です。日常業務の中にこそ、自分らしさや強みを見出せる可能性があります。

例えば「毎月の売上レポート作成」などの一見地味な定型業務でも「データの可視化手法を工夫し、経営判断のスピードアップに貢献」といった

強みを見出せます。

また「新人研修の資料作成」も「受講者の理解度を考慮し、図解や事例を効果的に取り入れた」というプロセスを評価できるでしょう。

業務の過程で発揮された創意工夫や人間性などに着目すると、転職活動でアピールできる新たな強みなどが見えてくるでしょう。

5.自問自答で回答を深掘りする

キャリアの棚卸しを充実させるには、各実績や経験を「なぜ」「どのように」の視点で掘り下げましょう。表面的な事実だけでなく、背景にある工夫や努力を明らかにできるからです。

例えば、営業成績が向上した事実に対して「見込み顧客リストの選定基準を見直しした」「業界ニュースを毎日チェックして商談に活用した」など、具体的な行動や工夫を掘り起こしていきます。

面接官の視点を意識しながら「どうやって達成したのか」「なぜその方法を選んだのか」「どのような障害があり、どう乗り越えたのか」と問いを重ねることで、説得力のある自己アピールが可能になります。

キャリアの棚卸しが上手くいかない・何もない場合の解決策

下記のような場合でも、適切なアプローチを取ることで効果的な棚卸しが実現できます。

  • 経験年数が少ない場合
  • 転職経験がない場合
  • 未経験の職種に就きたい場合

本項では、状況別のキャリアの棚卸し方法を詳しく解説します。

1.経験年数が少ない場合

業界での経験が浅くても、日々の業務の考え方や意識から自分の特徴を見出せます。例を挙げると、営業資料の作成では「顧客の理解度を考慮した構成」を心がけ、取引先から高評価を得た経験などが該当するでしょう。

具体的な分析には「目的」「工夫や考え方」「成果」の3つの観点が役立ちます。以下の例を参考に深掘りしていきましょう。

目的商談成立率を上げる
工夫点図解を多用したわかりやすい説明
成果提案から受注までの期間短縮

このように分析することで、経験年数が少なくてもキャリアの棚卸しが可能になります。

2.転職経験がない場合

転職経験がない場合は、単なる業務内容や実績だけでなく、モチベーションが上がった瞬間や、やりがいを感じた場面を時系列で分析していきます。例えば新入社員の教育担当になった際、相手の成長を実感できた喜びから人材育成への適性を見出せた例もあります。

感情の動きを追跡すると、自分が本当に充実感を得られる仕事の特徴が浮かび上がってくるはずです。

3.未経験の職種に就きたい場合

未経験の職種につきたい際は、現在の経験をスキルなどの狭い視点だけでなく「行動特性」や「思考プロセス」など広い観点からの見直しが大切になります。

例として、資料作成能力の高さは、単にPowerPointが使えるスキルと捉えるのではなく、「相手の理解を促進する論理的な構成力」を強みとしてとらえ直すことで、さまざまな職種での活用可能性が見えてきます。

プレゼンターやコンサルタント、企画職など、説明力や構成力を活かせる職種への転換も視野に入れられるようになります。

新しいキャリアへ進む際はオーダースーツSADA

キャリアの棚卸しの方法に悩んだらcoachee(コーチー)で相談を

キャリアの棚卸しは、自身の経験やスキルを見直し、今後のキャリアプランを明確にする重要な作業です。本記事で紹介した4つのステップや5つのコツを参考に、自分に合った方法で実践してみましょう。

キャリアの棚卸しを一人で進めることに不安を感じる方や、より効果的な方法を知りたい方は、キャリアに関する専門家への相談がおすすめです。

「coachee(コーチー)」なら、1回1,000円からあらゆるジャンルの専門家に気軽に相談可能です。豊富な経験を持つコーチが、あなたの経験やスキルを客観的に分析し、具体的なキャリアの棚卸しをサポートしてくれます。

「棚卸しの進め方がわからない」「転職に向けて自己分析を深めたい」という方は、ぜひ一度利用を検討してみてください。

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