リモートワーク廃止で辞めたい時の判断基準は?「オフィス回帰」を転職のチャンスに変える進め方

「リモートワークが廃止され、来月から原則出社に戻る」——そんな通達を受け取り、これを機に転職すべきか悩んでいませんか。在宅勤務を前提に生活リズムや住む場所を整えてきた人ほど、オフィス回帰は大きな働き方の変化になります。とはいえ、勢いで辞めて後悔するのも避けたいところです。この記事では、リモートワーク廃止で辞めたいと感じたときの判断基準と、オフィス回帰をむしろ転職のチャンスに変えるための進め方を、最新の動向や調査データを交えて解説します。読み終える頃には、感情ではなく自分の軸で次の一手を決められるようになります。
リモートワーク廃止・オフィス回帰が増えている背景とは?
まず押さえておきたいのが、リモートワーク廃止は個社の都合だけでなく、社会全体の流れとして広がっているという点です。背景を理解しておくと、自社の方針を冷静に受け止めやすくなります。
新型コロナの5類移行をきっかけに、出社を基本とする働き方へ戻す「オフィス回帰(RTO:Return To Office)」が国内外で進みました。国内でも、Hondaやアマゾン ウェブ サービス ジャパンが原則出社の方針を打ち出し、LINEヤフーやGMOインターネットグループはハイブリッド型へ制度を見直しています。LINEヤフーは2025年4月から、事業部門で週1回、その他の部門で月1回の出社を求めると公表しました。
企業がオフィス回帰へ動く理由には、対面でのコミュニケーションや育成のしやすさ、組織の一体感の醸成といった狙いがあります。在宅勤務中の事故やケガが起きた際に労災の判断が難しいといった、管理上の懸念を挙げる企業もあります。こうした流れは一過性ではなく、今後の働き方を考えるうえで前提になりつつあります。
出典:株式会社ダイヤモンド・ビジョナリーカンパニー「リモートワークの終焉? 世界的に進む“出社義務化”の背景とこれからの働き方」(2025年)
リモートワーク廃止で「辞めたい」と感じる理由とは?
オフィス回帰に納得できず辞めたいと感じるのは、わがままではありません。在宅勤務で得ていたものが失われることへの、自然な反応です。代表的な理由を整理します。
通勤時間の復活で自由な時間が削られる
在宅勤務で往復2時間の通勤がなくなり、その時間を家族や学び、休息に充ててきた人は少なくありません。出社が戻ると、この可処分時間がそのまま失われます。生活の質(QOL)が下がる実感は、転職を考える強い動機になります。
家庭との両立がしづらくなる
育児や介護、共働きでの家事分担をリモート前提で組み立ててきた家庭では、オフィス回帰が生活設計そのものを揺るがします。送り迎えや看病の対応がしづらくなり、働き方を変えざるを得ないケースもあります。
「話が違う」という不信感が生まれる
「フルリモート可」を魅力に感じて入社した人にとって、方針転換は約束が反故にされたように映ります。引っ越しや働き方の選択を会社の制度に合わせてきた分、会社への信頼が揺らぐのは無理もありません。この不信感が、他の不満と結びついて辞めたい気持ちを強めます。
働く人を対象にした調査では、リモートワーク廃止をきっかけに離職を検討する人は、管理職以外で16%、管理職で10%にのぼるという結果も示されています。在宅勤務の有無は、それだけ多くの人のキャリア選択に影響しているといえます。
出典:株式会社アスマーク「在宅勤務(テレワーク)終了に関する意識調査」(2024年)
リモートワーク廃止で転職する前に確認したい判断基準【4ステップ】
辞めたい気持ちが強くても、まずは立ち止まって判断材料を整理することをおすすめします。次の4ステップで考えると、転職すべきかどうかを落ち着いて見極められます。全体像は以下のとおりです。
- ステップ1:出社頻度と例外ルールの「事実」を正確に把握する
- ステップ2:在宅勤務にこだわる「本当の理由」を言語化する
- ステップ3:交渉・部署異動など社内で取れる選択肢を洗い出す
- ステップ4:転職した場合のメリットとリスクを比較する

ステップ1:出社頻度と例外ルールを正確に把握する
「リモート廃止」と聞くと完全出社をイメージしがちですが、実際には週2〜3回のハイブリッドや、育児・介護がある社員への配慮制度が設けられている場合もあります。まずは就業規則や人事の案内を確認し、出社頻度・対象者・例外ルールという事実を正確につかみましょう。前提が変われば、辞める必要がなくなることもあります。
ステップ2:在宅勤務にこだわる「本当の理由」を言語化する
自分が在宅勤務の何を守りたいのかを書き出してみます。通勤時間そのものなのか、育児との両立なのか、集中できる環境なのか。理由が明確になると、それが出社でも別の方法で満たせるのか、それとも働き方を根本的に変える必要があるのかが見えてきます。ここが曖昧なまま転職すると、次の職場でも同じ不満を抱えがちです。
ステップ3:社内で取れる選択肢を洗い出す
転職の前に、社内に残る選択肢も検討します。上司への相談、フレックスや時差出勤の活用、在宅勤務が認められやすい部署への異動など、取れる手は意外と残っているものです。※会社批判ではなく「両立のための相談」という姿勢で話すと、建設的に進めやすくなります。
ステップ4:転職のメリットとリスクを比較する
最後に、転職した場合の損得を冷静に比べます。柔軟な働き方が手に入る一方で、年収や仕事内容、人間関係が変わるリスクもあります。現状ではフルリモートを前提とした求人は選択肢が絞られやすいため、働き方だけで決めず、キャリア全体で判断することが後悔を防ぐポイントです。
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オフィス回帰を転職のチャンスに変える進め方
オフィス回帰は不満の種に見えますが、見方を変えれば自分の働き方を本気で見直す好機です。流されて転職するのではなく、次の手順で主体的に動くと、納得のいくキャリア選択につながります。

「働き方の優先順位」を改めて決める
年収・仕事内容・働く場所・成長機会のうち、何を最優先にするのかを決めます。リモートワークはあくまで手段の一つです。働く場所の自由を最優先にするのか、多少出社しても成長できる環境を選ぶのか、優先順位がはっきりすると求人の見方が変わります。
「制度が定着している会社」を見抜く視点を持つ
求人票に「リモート可」と書かれていても、実態が形骸化していることもあります。制度が本当に根づいているかは、社員の利用率や評価制度、入社後の運用まで踏み込んで確認したいところです。こうした内部事情は外から見抜きにくいため、業界に詳しい第三者の視点を借りると精度が上がります。
市場価値を確かめてから動く
転職で柔軟な働き方を手に入れるには、自分の市場価値を把握しておくことが土台になります。これまでの実績やスキルを棚卸しし、どんな会社からどう評価されるのかを知ると、交渉力が高まります。働き方の条件は、市場価値が高いほど通りやすくなる傾向があります。
後悔しない働き方を選ぶための「キャリアの軸」の整理法
働き方の悩みは、突き詰めると「自分はどう働き、どう生きたいのか」という問いにつながります。目先の出社・在宅だけでなく、キャリアの軸を整理しておくと、判断がぶれにくくなります。

5年後の働き方と暮らしをイメージする
5年後、どんな場所で、どんな仕事をして、どんな生活を送っていたいかを具体的に描いてみます。理想の暮らしから逆算すると、いまの会社に残るか転職するかの判断材料が見えてきます。働き方は人生設計の一部だと捉えると、優先すべきものが明確になります。
譲れない条件と妥協できる条件を分ける
すべての希望を満たす会社を探すのは難しいものです。だからこそ、譲れない条件と、状況によっては妥協できる条件を分けておきます。「在宅週3は譲れないが、年収は現状維持で構わない」というように整理すると、求人選びの軸が定まります。
一人で抱え込まず第三者に相談する
働き方とキャリアの整理は、自分一人だと考えが堂々巡りになりがちです。家族や同僚には本音を話しづらいテーマでもあります。利害関係のない第三者に話すことで、思考が整理され、自分でも気づかなかった選択肢が見つかることがあります。
働き方の見直しはcoacheeのキャリアコーチに相談を
「リモート廃止を機に辞めるべきか」という悩みは、出社か在宅かという表面的な問いの奥に、自分の価値観やキャリアの方向性という根っこの問いが隠れています。ここを一人で解きほぐすのは簡単ではありません。
キャリア相談サービスのcoachee(コーチー)は、キャリアに特化したスキルシェア型のプラットフォームです。転職するかどうかをまだ決めていない段階でも、現役のキャリアコーチに単発・低価格から相談できます。「辞めるべきか」「どんな働き方が自分に合うのか」を、利害関係のない立場から一緒に整理してもらえるのが特徴です。
転職エージェントに登録する前のセカンドオピニオンとしても活用しやすく、自分の市場価値や働き方の優先順位を言語化する場として役立ちます。働き方の変化に振り回されず、納得して次の一歩を選びたい人は、まず気軽に話してみてはいかがでしょうか。
リモートワーク廃止で転職を決める前に知っておきたい注意点
オフィス回帰をきっかけに転職へ動くときほど、勢いに任せず慎重に進めたいものです。働き方を理由にした転職でつまずきやすいポイントを、あらかじめ押さえておきましょう。
感情が高ぶったまま退職届を出さない
「裏切られた」という気持ちが強いほど、その場の感情で退職を申し出たくなります。けれども、次の職場が決まる前に辞めてしまうと、収入が途絶える不安から条件を妥協しがちです。在職中に情報収集と準備を進め、転職先の見通しが立ってから動くほうが、結果的に納得のいく選択につながります。まずは一度、冷静になる時間を取りましょう。
転職先の「働き方の実態」を入社前に見極める
求人票の「リモート可」「フレックスあり」という表記だけで判断するのは危険です。制度はあっても、現場では出社が暗黙の前提になっているケースもあります。面接の逆質問で、実際の利用率や週あたりの出社日数、評価への影響などを具体的に確認すると、入社後のギャップを減らせます。口コミや社員の声、第三者からの情報も合わせて、多面的に確かめておきたいところです。
「在宅勤務」だけを転職の軸にしない
働く場所の自由は大切ですが、それだけを軸にすると、仕事内容や成長機会、人間関係といった他の要素を見落としがちです。リモート可という条件だけで選んだ結果、業務にやりがいを感じられず再び転職を考える、という事態も起こり得ます。働き方は数ある条件の一つと位置づけ、キャリア全体のバランスで判断することが、長く納得して働くコツです。
※転職を急ぐ前に、いまの会社で実現できる選択肢が残っていないかも、もう一度確認しておくと安心です。出社と在宅のどちらが正解ということではなく、自分の状況に合った働き方を選ぶ視点が大切になります。
周囲の意見に流されて決めない
「みんな辞めずに続けている」「在宅にこだわるのは甘え」といった周囲の声に、必要以上に引きずられないことも大切です。働き方に求めるものは人それぞれで、家庭環境や価値観によって最適解は変わります。他人の基準ではなく、自分と家族にとって何が大事かを軸に考えましょう。判断に迷うときは、利害関係のない第三者に整理を手伝ってもらうと、自分の本音が見えやすくなります。
まとめ
リモートワーク廃止で辞めたいと感じたときに大切なポイントを、3つに整理します。
- オフィス回帰は社会全体の流れであり、出社頻度や例外ルールなど「事実」を正確に把握することから始める
- 在宅にこだわる本当の理由を言語化し、社内の選択肢と転職のメリット・リスクを比較する
- 働き方だけで決めず、キャリアの軸と市場価値を整理したうえで主体的に選ぶ
感情のままに動くと後悔しやすい一方で、立ち止まって整理すれば、オフィス回帰は自分の働き方を見直すチャンスにもなります。迷ったときは、第三者の力も借りながら、自分が納得できる選択を重ねていきましょう。
\「辞めるべき?」を一人で抱えない/


