「昇進したのにモヤモヤする」若手へ|役割と本音のズレを整理する方法

周囲から評価され、昇進やリーダーの役割を任された。本来は喜ばしいはずなのに、なぜか心が晴れない——。「昇進したのにモヤモヤする」という感覚に、戸惑っていませんか。

それは、わがままでも甘えでもありません。与えられた役割と、自分の本音のあいだにズレが生まれているサインです。この記事では、昇進後のモヤモヤが生まれる理由を整理し、キャリアの棚卸しを通じて役割と本音のズレを解きほぐす方法を、調査データを交えて解説します。

目次

「昇進したのにモヤモヤする」のは甘えではない

昇進やリーダー就任は、周囲からは「おめでとう」と祝福される出来事です。それでも晴れない気持ちを抱える人は、実は少なくありません。

昇進や役職への違和感を抱える若手は少なくない

「役職に就いたのに、これでいいのかと感じる」——そんな違和感は、特別なものではありません。若手社員を対象とした調査では、「自分はこのままでいいのだろうかと漠然と思い悩む」と答えた人が59.8%、「自分はこの先大丈夫なのだろうかと不安だ」と答えた人が62.7%にのぼりました。

出典:産業能率大学総合研究所「大卒1~3年目若手社員の実態調査」(2024年)

同じ調査では、若手社員が管理職を最も志望しているとは限らないことも示されています。役職に就くことが、そのまま本人の望むキャリアとは限らないのです。

「昇進=うれしい」とは限らない理由

昇進は、これまでの努力が認められた証です。しかし同時に、責任の重さ、求められる役割の変化、働き方の変化など、これまでとは違うものを背負うことでもあります。

「ありがたい」と「重い」が同時に存在するのは、ごく自然なことです。モヤモヤを感じるのは、自分の仕事と真剣に向き合っている証拠でもあります。

昇進後のモヤモヤについて知っておきたいこと
  • 役職への違和感を抱える若手は、決して珍しくない
  • 若手が管理職を望んでいるとは限らない
  • 「うれしい」と「重い」が同居するのは自然なこと

「昇進後のモヤモヤ」が生まれる3つの原因

昇進後にモヤモヤを感じる若手社員のイメージ

昇進後にモヤモヤが生まれるのには、共通した原因があります。ここでは、代表的な3つの原因を取り上げます。

  • 役割は「会社のレール」で決まる
  • 評価と「やりたいこと」は別物
  • 立場が上がると相談しづらくなる

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

昇進後のモヤモヤの原因1:役割は「会社のレール」で決まる

昇進やリーダー就任は、多くの場合、会社の都合や評価制度にもとづいて決まります。本人が「その役割を担いたい」と望んだ結果とは限りません。

会社が用意したレールは、本人のやりたいことと重なっているとは限りません。レールに乗ったあとで「思っていたのと違う」と感じるのは、自然なことです。

昇進後のモヤモヤの原因2:評価と「やりたいこと」は別物

高く評価されることと、その仕事を「やりたい」と思えることは、いつも一致するわけではありません。得意で成果が出るからこそ任される——けれど、得意なことと心から打ち込めることは、違う場合があります。

評価されるほど期待が増え、いつのまにか「やりたいこと」から離れていく。このすれ違いが、モヤモヤの大きな原因になります。

昇進後のモヤモヤの原因3:立場が上がると相談しづらくなる

役職に就くと、「弱音を吐けない」という気持ちが働きやすくなります。部下の前では頼れる存在でいたい、上司には期待に応える姿を見せたい——そう考えると、悩みを打ち明けにくくなります。

立場が上がるほど、本音を話せる相手は減っていきます。一人で抱え込むことが、モヤモヤを深める一因になります。

立場が上がってからのキャリアの悩みは、相談先を見つけること自体が難しくなりがちです。だからこそ、社外に安心して話せる相手を持っておくことが、役職者にとって心強い支えになります。

昇進後のモヤモヤが生まれる3つの原因

モヤモヤは「役割が会社都合で決まる」「評価とやりたいことのズレ」「相談しづらさ」という3つの要因から生まれます。原因を知ることが、整理の第一歩になります。

「昇進後のモヤモヤ」の正体は役割と自己理解のギャップ

役割と本音のギャップに悩む若手のイメージ

昇進後のモヤモヤをひとことで言えば、「与えられた役割」と「自分が本当に大切にしたいこと」のあいだのギャップです。その中身を、もう少し詳しく見ていきましょう。

役割と自己理解のギャップとは何か

役割とは、会社から期待される仕事の内容や立場のことです。一方、自己理解とは、自分が何を大切にし、何にやりがいを感じ、どう働きたいかという、内側の理解を指します。

この2つがそろっていれば仕事は充実しますが、ずれていると「評価されているのに満たされない」という状態が生まれます。これが、昇進後のモヤモヤの正体です。

役割と自己理解のギャップを放置するリスク

ギャップを放置したまま走り続けると、違和感は少しずつ大きくなります。「なんとなく合わない」が、いつのまにか「この働き方を続けたくない」に変わってしまうこともあります。

大切なのは、ギャップに気づいた段階で、自分の役割と本音を一度立ち止まって整理することです。早めの整理が、納得感のあるキャリアにつながります。

役割と自己理解のギャップとは

昇進後のモヤモヤは、会社から与えられた「役割」と、自分が大切にしたいことへの「自己理解」のズレから生まれます。放置すると違和感が大きくなるため、早めに整理することが大切です。

「昇進後のモヤモヤ」を感じたときにやってはいけない3つのこと

昇進後のモヤモヤへの向き合い方を考えるイメージ

モヤモヤを抱えると、早く楽になりたくて極端な行動に走りがちです。しかし、勢いで動くと、かえって後悔につながることもあります。整理を始める前に、避けたい3つの行動を確認しておきましょう。

  • 勢いだけで辞表を出す
  • 感情を押し殺して我慢し続ける
  • 一人だけで結論を出そうとする

それぞれ、理由を見ていきましょう。

やってはいけないこと1:勢いだけで辞表を出す

モヤモヤが強くなると、「とにかく今の環境を変えたい」という気持ちから、勢いで退職を決めてしまうことがあります。しかし、原因が整理されないままの転職は、同じモヤモヤを次の職場へ持ち込むリスクがあります。

昇進後の違和感は、会社や仕事そのものが原因とは限りません。役割と本音のズレが整理されていないだけのこともあります。動く前に、まず立ち止まって整理することが大切です。退職という選択肢を否定する必要はありませんが、それは現状を整理したうえで選ぶべきものです。

やってはいけないこと2:感情を押し殺して我慢し続ける

「役職に就いた以上、弱音は吐けない」と、モヤモヤに蓋をして我慢し続ける人もいます。一時的にはやり過ごせても、抑え込んだ違和感が消えるわけではありません。

我慢を重ねると、ある日突然、働く意欲が大きく落ち込んでしまうこともあります。心身の不調につながる前に、違和感は小さなうちに扱うことが大切です。モヤモヤを感じること自体は悪いことではなく、自分の状態に気づけているサインとして受け止めましょう。

やってはいけないこと3:一人だけで結論を出そうとする

昇進後の悩みは社内で話しにくいため、つい一人で抱え込み、自分だけで結論を出そうとしがちです。しかし、一人で考え続けると、同じ思考の輪をぐるぐると回ってしまいます。

視野が狭くなった状態では、選択肢を見落としやすくなります。「辞めるか、我慢するか」の二択に思えても、役割の調整や社内での相談など、別の道があることも少なくありません。第三者の視点が入るだけで、見えていなかった選択肢に気づけることがあります。

モヤモヤを感じたときの心構え

モヤモヤを感じたら、「勢いで動く」「我慢し続ける」「一人で抱える」の3つは避けましょう。落ち着いて整理し、必要に応じて第三者の力を借りることが、後悔しない選択につながります。

「昇進後のモヤモヤ」を整理するキャリアの棚卸し3ステップ

キャリアの棚卸しをノートに書き出すイメージ

役割と本音のギャップを整理する有効な方法が、「キャリアの棚卸し」です。次の3つのステップで進めていきましょう。

  1. キャリアの棚卸しで「できること」を整理する
  2. キャリアの棚卸しで「やりたいこと」を言語化する
  3. キャリアの棚卸しで「役割」との重なりを見極める

以下で、それぞれのステップを詳しく解説します。

ステップ1:キャリアの棚卸しで「できること」を整理する

最初に、これまでの仕事で身につけたスキルや経験、成果を書き出します。担当した業務、工夫したこと、評価されたこと——大小を問わず並べていきます。

「できること」を可視化すると、自分がどんな場面で力を発揮してきたかが見えてきます。これは、今後の選択肢を考えるための土台になります。

ここでいう成果は、大きな実績だけを指すわけではありません。日々の業務で工夫してきた小さな積み重ねも、立派な「できること」です。控えめに評価しすぎず、丁寧に書き出してみましょう。

ステップ2:キャリアの棚卸しで「やりたいこと」を言語化する

次に、「どんな仕事に時間を忘れて取り組めたか」「どんな働き方に心が動くか」を書き出します。過去に充実感を覚えた場面を思い返すと、ヒントが見つかります。

やりたいことは、最初から明確である必要はありません。断片的な言葉でも書き出すうちに、自分が大切にしたい価値観の輪郭が見えてきます。

「やりたいこと」が思い浮かばないときは、反対に「やりたくないこと」から考えてみるのも有効です。避けたい働き方を挙げていくと、その裏側に、自分が望む方向が見えてくることがあります。

ステップ3:キャリアの棚卸しで「役割」との重なりを見極める

最後に、「できること」「やりたいこと」と、今任されている「役割」を並べて見比べます。重なっている部分はどこか、ずれている部分はどこかを確認します。

重なりが見つかれば、その役割のなかで力を発揮する方向が見えます。ずれが大きければ、役割の調整や別の道を考える材料になります。大切なのは、感覚ではなく、整理された情報をもとに判断することです。

キャリアの棚卸しで役割と本音を整理する

「できること → やりたいこと → 役割との重なり」の順に整理すると、漠然としたモヤモヤが、具体的な現状把握と次の一手に変わっていきます。一度で完璧に仕上げず、書き足しながら整えていきましょう。

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「昇進後のモヤモヤ」は第三者と棚卸しすると整理しやすい

第三者とキャリアの棚卸しをするイメージ

キャリアの棚卸しは一人でも進められますが、第三者と一緒に行うと、整理がぐっと深まります。ここでは、その理由と相談先の選択肢を紹介します。

キャリアの棚卸しは利害のない第三者と行うと深まる

一人での棚卸しは、どうしても「いつもの考え方」の枠から出にくくなります。利害関係のない第三者が問いを返してくれると、自分では気づかなかった視点に出会えます。

特に役職者の悩みは、社内の人には話しにくいものです。中立な立場の相手であれば、評価や人間関係を気にせず、本音で役割と向き合えます。

社外の第三者に話すことには、もう一つの利点があります。利害のない相手だからこそ、特定の結論に誘導されることなく、フラットな視点で考えを整理する手助けをしてもらえる点です。

coacheeなら昇進後のキャリアの悩みを1回から相談できる

キャリア特化のスキルシェア型プラットフォーム「coachee(コーチー)」では、コーチのプロフィールや経歴を見て、自分に合う相手を選べます。同じように役職を経験したコーチに相談することもできます。

単発の相談から継続的なサポートまで選べるため、「まずは一度、棚卸しを手伝ってほしい」という使い方も可能です。料金も低価格帯から幅があり、気軽に試せます。

  • 昇進やリーダー就任後に感じる違和感を整理したい
  • 役割と自分のやりたいことのズレを言葉にしたい
  • 今後のキャリアの方向性を一緒に考えてほしい

こうした悩みは、一人で抱え込むほど答えが見えにくくなります。第三者と一緒に整理することで、次の一歩が見つけやすくなります。

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まとめ|「昇進後のモヤモヤ」は役割と本音の整理で晴れる

「昇進したのにモヤモヤする」という感覚は、甘えではありません。会社から与えられた役割と、自分の本音とのあいだにズレが生まれているサインです。

  • 役職への違和感を抱える若手は珍しくなく、甘えではない
  • モヤモヤの正体は「役割」と「自己理解」のギャップにある
  • キャリアの棚卸しで「できること・やりたいこと・役割」を整理できる

モヤモヤは、感覚のまま抱え続けるより、整理して向き合うほうが前に進めます。まずは「できること」を書き出すところから、キャリアの棚卸しを始めてみてください。

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