クォーターライフクライシスとは?20代後半〜30代の焦りを乗り越える方法

「このまま今の会社にいていいのだろうか」
「SNSで同年代の活躍を見ると焦ってしまう」
「自分が本当にやりたいことがわからず、辛い毎日を過ごしている」
20代後半から30代にかけて、キャリアやライフイベントへの焦りから、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
クォーターライフクライシスとは、人生の4分の1を過ぎた時期に訪れる心理的な幸福感の低迷期のことです。
そこで本記事では、クォーターライフクライシスを引き起こす原因や、5つのフェーズ、乗り越え方を詳しく解説します。
陥りやすい人の特徴や具体的な対処法も解説しているため、自己理解を深めて次の一歩を踏み出せるようになります。
本記事を読んで、漠然とした不安の正体を知り、現状のモヤモヤを解消しましょう。
※気分の落ち込みや抑うつ状態が長く続く場合は、一人で抱え込まず、医療機関の受診を検討してください。
クォーターライフクライシスとは

クォーターライフクライシスとは、人生の4分の1が過ぎる20代後半から30代半ばにかけて訪れる、心理的な幸福感の低迷期を指します。
就職や結婚、出産といったライフイベントが重なり、選択のプレッシャーが増す時期に起こるのが特徴です。「自分の人生はこのままでいいのか」という漠然とした不安や焦燥感を抱きやすく、平均年齢は約27歳です。
人生100年時代において、多くの人が経験する現象です。
この時期に悩みを抱える人は、人生やキャリアにおいて以下の2つの要素を求めています。
- 意義(やりがいや社会への貢献感)
- 安定(将来の収入や生活基盤)
現状ではどちらかの目標しか持っていない場合でも、最終的には「安定」と「意義」を追求するとされています。
まずは自分が今、どちらの要素を求めて焦っているのかを客観的に整理しましょう。
自分に不足している要素を特定できれば、それを補うための具体的な行動へ移せるからです。
最終的に「安定」と「意義」を融合させたキャリアの構築が、低迷期を抜け出すために必要です。
なぜ今苦しいのか?クォーターライフクライシスを引き起こす5つの原因

なぜ多くの人がこの時期に苦しむのか、その根本的な原因を5つに分解して解説します。
1. 理想と現実のギャップ
クォーターライフクライシスの大きな原因は、思い描いた理想と実際の業務とのギャップです。
自分はもっと活躍できるはずだという高い自己評価に対して、思い通りに成果が出ない現状に直面するからです。
努力しても報われない経験が積み重なると、次第に無力感を抱きやすくなります。
実際に、LinkedInの調査によると、61%の人が「情熱を注げる仕事やキャリアに巡り合えない悩み」をクォーターライフクライシスの最大の要因として挙げています。
このように、情熱を注げる理想の社会人像と泥臭い現実との乖離が、若手社会人を深く悩ませるのです。
2. SNSによる他者との比較
友人の昇進や結婚、出産などの報告をSNSで目にし、自分だけが取り残されたように感じることも大きな要因です。
他人の成功した側面だけを見て、自分の平凡な日常と比較し、劣等感を抱いてしまいます。
実際に、LinkedInの調査によると、自分より成功している友人との比較が不安の原因だと答えた人は約半数にのぼると報告されました。
隣の芝生が青く見え続け、自分の選択に自信を持てなくなってしまいます。
3. サンクコスト(埋没費用)への執着
「せっかく入った会社だから」「これまで長く続けてきた仕事だから」と、過去の投資を惜しむ心理が働くこともクォーターライフクライシスの原因の一つです。
今の環境に違和感があっても、これまでの時間や労力を無駄にしたくないため、変化を恐れてしまいます。過去の選択を正当化しようとするあまり、新しい一歩が踏み出せず、現状にとどまり続けて苦しむことになります。
4. 選択肢過多による決断疲れ
転職や副業、独立、留学など、選べる道が多すぎてどれが正解かわからなくなる状態です。
失敗したくないという思いが強く、無限の可能性を前にして立ちすくんでしまいます。
自由度が高いことがかえってプレッシャーとなり、結果として決断を先送りにして現状維持を選ぶ傾向にあります。
5. アイデンティティの揺らぎ
会社名や役職という「肩書き」以外の自分の価値がわからなくなることも、深刻な不安を引き起こします。
親や上司、配偶者といった社会的な役割への期待と、本来の自分とのギャップに悩む人が多く見られます。
スキル不足を感じて将来への恐怖が強まり、何のために働いているのかという根本的な問いに答えられなくなってしまいます。
参考:LinkedIn「New LinkedIn research shows 75 percent of 25-33 year olds have experienced quarter-life crises」
【表で解説】クォーターライフクライシスの5つのフェーズ

本項では、イギリスのグリニッジ大学の心理学教授であるオリバー・ロビンソンが提唱した理論に基づき、クォーターライフクライシスが進行し解決に向かうまでのプロセスを解説します。
| フェーズ | 状態 | 詳細な内容 |
| フェーズ1 | 閉じ込められている感覚 | 今の仕事や人間関係、環境に閉じ込められていると感じ、抜け出せない閉塞感を抱く。 |
| フェーズ2 | 問題意識と焦り | 今の状況をなんとかしなければと思い始め、焦りや不安が強くなる。 |
| フェーズ3 | 決別と試行錯誤 | 仕事を辞める、距離を置くなどして現状を断ち切り、自分を見つめ直す。 |
| フェーズ4 | 再建 | 新しい方向性を見出し、目標に向かってゆっくりと動き出す。 |
| フェーズ5 | 熱中 | 新しい関心事や仕事に熱心に取り組み、充実感を取り戻す。 |
上記の表を見て、自分は今どのフェーズにいるのかと問いかけてみてください。
もし「焦り(フェーズ2)」を感じているなら、次は「現状との決別や試行錯誤(フェーズ3)」が必要だとわかります。
参考:Oliver Robinson 「Emerging adulthood, early adulthood and quarter-life crisis: Updating Erikson for the 21st Century」
クォーターライフクライシスになりやすい人の4つの特徴

クォーターライフクライシスに直面しやすい人には、いくつかの共通する特徴があります。
以下の表にそれぞれの傾向をまとめました。
| クォーターライフクライシスになりやすい人 | 内容 |
| 真面目で責任感が強い人 | ・期待に応えようと無理をしやすく、自分の本音を抑え込んでしまう ・レールから外れることを極端に恐れる ・他人の評価を気にしすぎて、自分の幸せの基準を見失いがち |
| 向上心が高く完璧主義な人 | ・現状に満足できず、常に「もっと上」を目指してしまうため、枯渇感がある ・小さな失敗も許せず、減点方式で自分を評価してしまう ・理想が高すぎるあまり、現実の自分を肯定できなくなる |
| 繊細で他人と比較しやすい人 | ・周囲の言動やSNSの情報に敏感に反応し、心を乱されやすい ・自分の軸が定まっておらず、他人の価値観に流されやすい |
| 感情の切り替えが苦手な人 | ・過去の失敗や後悔をいつまでも引きずり、ネガティブな思考ループに入りやすい ・仕事のストレスをプライベートに持ち込み、リフレッシュできない ・悩み始めると視野が狭くなり、一人で抱え込んでしまう |
これらの特徴に当てはまる場合、無意識のうちに自分を追い詰めている可能性があります。自分の傾向を自覚することが、現状を抜け出すために役立ちます。
クォーターライフクライシスの乗り越え方

ここでは、単なる精神論ではなく、行動科学や心理学に基づいた具体的なアクションプランを6つ紹介します。
デジタルデトックスを行う
クォーターライフクライシスの焦燥感を和らげるには、デジタルデトックスを行うのが効果的です。
現代はスマートフォンを通じて常に大量の情報に触れており、知らないうちに精神的な疲労が蓄積しています。
とくにSNSで他人の成功や幸せな投稿を見ると、無意識に自分と比較して落ち込んでしまうケースは少なくありません。
そのため、隣の芝生は青い状態から脱却し、物理的に情報を遮断する時間を設ける必要があります。
実際に、厚生労働科学研究費補助金による研究報告書では、以下のように述べられています。
| SNS の使用時間を制限すると孤独感と抑うつが軽減されたことが報告されている |
引用:厚生労働科学研究費補助金 障害者政策総合研究事業 分担研究報告書
このように、情報の波から意図的に離れるアプローチは、メンタル不調の回復につながるでしょう。
就寝前のスマホ断ちや、不安を煽るアカウントのミュートなど、取り組みやすい行動から始めてみてください。
サンクコストを損切りする
これまでの経験がもったいないという思考を捨て、ゼロベースで未来を考えることが重要です。
例えば、せっかく法学部に入ったのだから法律が活かせる仕事をしないともったいないと思い込み、本当にやりたいことを選べなくなってしまうケースが少なくありません。
そのため、過去に費やした時間は回収するものではなく、経験値として今後の糧になると捉え直すことが重要です。
もしこれまでの投資や経緯を一切忘れて今の選択肢に向き合ったとしたら、同じ道を選ぶだろうか、と自問自答してみてください。
自己認識・自己理解力を高める
クォーターライフクライシス特有の焦りや迷いは、自己認識の不足から生じることがあります。
自分の弱みも含めて、ありのままを受容する自己理解を深めることが欠かせません。自分が何を大切にし、どんな環境で力を発揮できるのかを整理すると、他人の基準に振り回されなくなります。
自己理解や自己認識に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【決定版】自己理解とは?何がしたいのか見つかるフレームワークと実践ステップ
関連記事:9割が誤解する自己認識とは?仕事やキャリアに役立つトレーニング方法を紹介
ライフラインチャートを作る
ライフラインチャートとは、過去のモチベーションの波をグラフ化し、自分が何に喜びや苦痛を感じるかを可視化する方法です。
充実していた時期の共通点を探すことで、自分の価値観や軸を再発見できます。客観的なデータを通して自分を見つめ直すことで、感情的な迷いを整理し、今後の方向性を定める助けになります。
関連記事:【例文付き】ライフラインチャートとは?目的や作り方、テンプレートを紹介
利害関係のない第三者に話を聞いてもらう
社外の先輩やコーチ、趣味の仲間など、利害関係のない第三者に話を聞いてもらうことも有効です。
会社の上司や同僚には言えない本音を吐き出し、客観的なフィードバックをもらうことで視界が開けます。ロールモデルとなる人を見つけ、具体的な行動のヒントを得るのも良い方法です。
社内にメンターがいない場合でも、書籍の著者の考えを取り入れたり、SNSを活用してフラットなメンター関係を構築することも可能です。
また、利害関係のない専門家に相談したい場合は、キャリアコーチとマッチングできる「coachee」のようなサービスを活用するのもおすすめです。
スモールステップで小さな変化を起こす
クォーターライフクライシスを抜け出したいときに、いきなり転職などの大きな決断をせず、副業など小さく試すことから始めましょう。
自分の仮説を検証するような感覚で新しい環境に触れ、適性を確認することが大切です。小さな成功体験を積み重ねることで、失われた自己効力感を回復させ、次への自信につなげられます。
クォーターライフクライシスの相談にはcoachee(コーチー)がおすすめ

クォーターライフクライシスは、20代後半から30代にかけて多くの人が経験する通過儀礼です。
焦りや不安の原因を紐解き、サンクコストにとらわれず自己理解を深めることが、現状を乗り越える鍵となります。しかし、一人で悩みを抱え込むと、考えが堂々巡りになり、余計に苦しくなってしまうこともあるのではないでしょうか。
キャリアのモヤモヤを解消し、自分らしい選択をしたい方には、キャリア相談専門のスキルシェアサービス「coachee」がおすすめです。
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