セカンドキャリアにも!女性が転職で有利になるおすすめ資格5選
高橋 秀誓
キャリアコンサルタント
coachee株式会社 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
プロティアン認定ファシリテーター
キャリア相談プラットフォーム『coachee(コーチー)』運営者
明治大学卒業後、リテール、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。
求人広告、人材紹介、人材派遣、SESにおける、ソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事。エグゼクティブ,Web,IT,SI.HRにおけるリクルーティング支援、キャリア形成支援を行う。
相談実績は3500人以上。
結婚・妊娠・出産などのライフイベントによって大きく環境が変化する女性のキャリア形成は、年々複雑化してきています。今回はそんな女性の転職やセカンドキャリアを支える「資格」について、その難易度や費用、それらがどんな人に向いているかをご紹介していきます。
女性が資格を取るメリット
女性は妊娠や出産などのライフイベントが多く、キャリア形成にも綿密な計画が必要です。特に結婚後、雇用形態を変更するにあたって転職をしたり、出産後に再就職先を検討したりと、キャリアにおいて不安定な時期に悩みを抱える方は多くいます。
そんな重い荷物を軽くしてくれるのが今回ご紹介する「資格」です。
資格は、取得しておくことで採用試験に受かりやすくなったり、安定的な収入を得られる足掛かりになったりと、メリットが多くあります。
「今の時代、手に職が必要」、「資格を持っておけば何とかなる」と何十年も前から言われてきましたが、2020年以降はいっそうその傾向が強まってきています。これからは、何かの“専門家”になっておくことでその後の人生の選択肢がグッと広がります。では、これからの時代に取得しておくことで女性が再就職や転職に有利になる資格にはどんなものがあるでしょうか。
女性におすすすめの資格5選
今回は女性におすすめの資格を5つご紹介するとともに、それぞれ「費用」、「難易度」、「想定年収」、「こんな人におすすめ」の4つの項目も併せてご紹介します。これらの資格を取得してより安定的に収入を得ましょう。
TOEIC
費用:7,810円(受験料)
難易度:★★★★(700点で偏差値56~)
想定年収:-
グローバル化に伴い、英語を「読める」だけでなく「聞ける」「話せる」という力がさらに重要視されるようになってきました。転職の際に英語を使った職に就きたいならやはり国際基準のTOEICがおすすめです。TOEICは、世界約160か国で実施される英語能力テストです。このテストでは、リスニングが45分間で100問、リーディングが75分間で100問出題されます。満点は990点ですが、転職市場で有利になるためには最低でも700点は必要とされています。
【TOEICはこんな人におすすめ】
・英語、海外にまつわる職に就きたい
・英検の受験歴がある
・もう一度英語を学び直したい
キャリアコンサルタント
費用:35万円~55万円(養成講習、受験料、登録費込み)
難易度:★★★★(合格率:約25%)
想定年収:400~700万円
近年、人気を博している資格の一つに「キャリアコンサルタント」があります。実施している団体はキャリアコンサルティング協会とJCDA(日本キャリア開発協会)の2つ。難易度は高めですが、JCDAのほうの試験は“比較的、受かりやすい”といわれています。この資格自体は2016年に始まったばかりで日が浅いですが注目度は高く、まだまだブルーオーシャンのため独立開業すれば年収700万円も夢ではありません。キャリアコンサルタントの仕事はクライアントのキャリア設計に的確なアドバイスをすることです。就職先には大学のキャリアセンターや、人材派遣会社などがあります。デメリットは養成講習と免許登録に費用がかさんでしまうこと。また、5年ごとに更新講習も受けなければならないので自身が「続けていけそうかどうか」をしっかり見極める必要があります。
【キャリアコンサルタントはこんな人におすすめ】
・将来独立したい
・自己投資にはお金をかけたい
・一つの仕事を長く続ける自信がある
ファイナンシャルプランナー2級
費用:8,700円(受験料)
難易度:★★★(合格率:約40%)
想定年収:300万円~
国家資格のなかでも比較的合格率の高いファイナンシャルプランナーは、3級から1級まであり、一番難易度の低い3級で合格率約80%、2級が40%、1級は10~15%といわれています。ちなみに2級の受験資格は3級に合格していることも条件としてあるため、注意しましょう。テストは学科と実技があり学科が120分、実技が90分となっています。受験費用もそれほど高くはないので比較的検討しやすい資格といえます。ファイナンシャルプランナーは、お金に関する幅広い知識をもとに人々の人生設計をいっしょに考える職業です。女性の資格取得者も多く、学んでおくことで自分自身のライフプランが立てやすくなるというメリットもあります。将来、資産運用、保険、年金、相続のことで悩まないためにも今のうちに学んでおいて損はない“本当に役立つ資格”といえるでしょう。
【ファイナンシャルプランナー2級はこんな人におすすめ】
・お金のことについて詳しく学びたい
・仕事だけでなく実生活にも役立つ資格がほしい
・国家資格を取得したい
宅地建物取引士
費用:50,000円程度(受験料、登録料、手数料込み)
難易度:★★★★(合格率:15%)
想定年収:500~600万円
通称「宅建(たっけん)」と呼ばれる「宅地建物取引士」は、簡単に言えば不動産取引のスペシャリストです。主な業務内容には、建物取引の重要事項説明、書面の記名・押印などがあります。宅地建物取引士は、人の衣食住のなかの「住」に全面的に関わる仕事のため将来、仕事がなくなる心配がありません。合格率は15%と決して高くありませんが、偏差値の目安は55~59程度といわれているため、何歳からでも目指せる資格といえるでしょう。宅地建物取引士は不動産、法律の知識が身に付くため、仕事のみならずプライベートでも大変役立ちます。“一生食べていける仕事”に付きたい方は宅地建物取引士がおすすめです。
【宅地建物取引士はこんな人におすすめ】
・不動産業界に興味がある
・高収入を目指したい
・一生食べていける資格がほしい
日商簿記検定
費用:2,850円~7,850円(2級:4,720円)
難易度:★★★(2級合格率:約25%)
想定年収:300~600万円
今回ご紹介するなかでは一番取得しやすい「日商簿記検定」は、何よりもコストパフォーマンスが高いというのが魅力です。簿記検定に関する参考書は安く手に入り、過去問もスマホアプリなどで学習することができます。また、簿記検定の取得者は求めている企業が多く、2級以上を取得していれば企業の経理担当として歓迎してもらえることがほとんどです。最も難しい1級の取得者は上場企業の管理職候補としても優遇されるため、より高いレベルに挑戦すれば年収600万円以上稼ぐことも可能です。しかしながら、2級であっても合格率は25%ほどなどで毎日コツコツ勉強する必要があります。未経験の方はまず3級から学習するのをおすすめします。
【日商簿記検定はこんな人におすすめ】
・事務職、経理職に就きたい
・毎日コツコツ勉強することができる
・安定した職に就きたい
大切なのは未来の自分!今からできることを始めよう
今回は女性におすすめの資格について、それぞれの難易度や費用、想定年収をご紹介しました。
今回ご紹介した資格は主に“転職に有利”な、国家資格など比較的難易度の高いものが多かったですが、介護系資格や医療事務、Webデザイナー、秘書検定など、その他にも女性に人気の資格は沢山あります。
大切なのはその資格を活かした未来の自分を想像できるかどうか、です。
特に女性は今、生きる選択肢がどんどん多様化してきています。どんな人生を選んでどんな職に就くかは自分次第です。社会復帰のことやセカンドキャリアのこと、不安はつきものですが、学べるうちに学んで資格を取得しておくことで自分への自信にもつながります。未来の自分のために、今できることから少しずつ始めてみましょう!