「退職金がない会社」はやばい?あと何年いるかで決める、生涯賃金での見極め方

退職金がない会社はやばいのか、あと何年いるかで見極める記事のアイキャッチ

「退職金がない会社」と知って、この先も働き続けていいのか不安になっていませんか。老後の資金や将来を考えると、退職金の有無は見過ごせない条件です。ただ、退職金がないこと自体が会社の善し悪しを決めるわけではありません。大切なのは、その会社に「あと何年いるつもりか」を軸に、月給や賞与も含めた全体で判断することです。この記事では、退職金がない会社は違法なのか、割合や制度がない理由、求人票の見抜き方、そして今からできる対策までを整理して解説します。

目次

「退職金がない会社」はやばい?まず違法かどうかを整理する

「退職金がない会社はやばいのでは」と感じたとき、最初に確認したいのが法律上の位置づけです。結論から言うと、退職金制度を設けていない会社そのものは違法ではありません。ここを整理しておくと、余計な不安に振り回されずに次の判断へ進めます。

退職金(退職給付)は、法律で企業に導入が義務づけられている制度ではありません。あくまで各企業が就業規則や退職金規程で任意に定めるものです。そのため、制度がない会社に入社しても、それだけで法令違反にはなりません。

注意したいのは、「制度があるのに支払われない」ケースです。就業規則や退職金規程に支給条件が明記されているのに支払われない場合は、賃金の未払いにあたる可能性があります。まずは自社の就業規則を確認し、退職金に関する規定があるかどうかを見ておきましょう。

※法的な線引きや未払いの請求手続きについては、労働基準監督署や弁護士など専門の窓口に確認するのが確実です。この記事では、違法かどうかの手前にある「この会社で働き続けるか」という判断に焦点を当てます。

退職金がない会社の割合と、制度が「ない理由」

自分の会社だけが特別なのか、それともよくあることなのか。割合の目安を知っておくと、状況を冷静に受け止めやすくなります。ここでは、退職金がない会社がどのくらいあるのか、そしてなぜ制度がないのかを見ていきます。

城へ続くまっすぐな並木道

退職金がない会社はどのくらいある?

厚生労働省の調査では、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は約75%でした。裏を返せば、4社に1社ほどは退職金制度がない計算になります。制度の有無は企業規模でも差が大きく、規模の小さい企業ほど制度がない割合が高い傾向があります。

出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」(2023年)

つまり、退職金がない会社は決して珍しくありません。「退職金がない=ブラック企業」と短絡的に考える必要はなく、あくまで数ある労働条件のひとつとして冷静に見ていくことが大切です。

退職金制度がない主な理由

退職金制度を導入していない会社には、いくつかの背景があります。代表的なものを挙げると、次のとおりです。

  • 設立が新しく、退職金制度をまだ整えていない(スタートアップやベンチャーに多い)
  • 年俸制などを採用し、その分を毎月の給与に上乗せしている
  • 退職金の原資を確保する経営体力がまだ十分でない
  • 人材の流動性が高い業界で、長期勤続を前提にした設計をしていない

理由によって意味合いは大きく変わります。「給与に上乗せしている」ケースと「原資を確保できない」ケースでは、会社の安定度がまったく違うからです。同じ「退職金なし」でも、その中身を確かめることが判断の第一歩になります。

「退職金なし=給与が高い」は本当か?求人票の見抜き方

「退職金がない分、給与が高い」とよく言われます。確かにそういう会社もありますが、すべてに当てはまるわけではありません。求人票のどこを見れば実態が分かるのか、確認したいポイントを整理します。

遠くに山を望む高原の風景

まず見たいのは、給与が「年俸制」や「みなし残業込み」になっていないかです。年俸制の場合、提示額に賞与相当分が含まれていることがあり、月給ベースで見ると想像より低いこともあります。退職金がない代わりに給与が高いのか、それとも単に賞与や退職金がないだけなのかを切り分けましょう。

次に、賞与の有無と実績を確認します。求人票に「賞与年2回」と書かれていても、「業績による」とあれば支給されない年もあり得ます。給与・賞与・退職金の3点をセットで見て、生涯で受け取れる総額のイメージを持つことが重要です。

※求人票の給与欄は「モデル年収」や「上限額」が強調されがちです。数字の高さだけで判断せず、内訳と支給条件まで踏み込んで確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

「やばいかどうか」は会社ではなく”あと何年いるか”で決まる

退職金がない会社が自分にとって問題かどうかは、会社の属性だけでは決まりません。同じ会社でも、あと3年で辞めるつもりの人と、20年働き続ける人とでは、退職金の重みがまったく違います。ここが判断の分かれ目です。

たとえば数年以内の転職を視野に入れているなら、退職金がないことの影響は相対的に小さくなります。むしろ月給や賞与、身につくスキルのほうが重要です。一方で、その会社で長く勤める前提なら、退職金の有無は老後の資金計画に直結する大きな要素になります。

判断の材料として、次の視点を持っておくと整理しやすくなります。

  • この会社に、あと何年いるつもりか(勤続の見込み)
  • その間に受け取れる月給・賞与の合計はどのくらいか
  • 退職金がない分を、自分でどこまで積み立てられるか
  • 身につくスキルや経験が、次のキャリアにどうつながるか

退職金は「この会社にいる価値」の一部でしかありません。月給・賞与・退職金・企業年金・勤続前提を合算して初めて、その会社にとどまる意味が見えてきます。会社そのものではなく、自分の残り年数を主語にして考えてみてください。

退職金がない会社で今からできる対策

退職金がない状況でも、将来に向けて打てる手はあります。まず全体像として、対策は大きく次の3ステップで考えると整理しやすくなります。

  1. 自分で積み立てる(資産形成でカバーする)
  2. 制度のある会社へ移る(転職で環境を変える)
  3. 今の会社で給与や条件を見直す(社内で交渉する)

この3つは「どれか1つだけ」ではなく、組み合わせて考えるものです。以下でそれぞれのポイントを見ていきます。

砂丘の草原に置かれた白い椅子

自分で積み立てて資金を準備する

退職金がない分は、自分で計画的に準備する方法があります。iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった制度は、老後資金や将来の備えを自分で積み立てる選択肢として知られています。ただし、これらは運用リスクや税制の細かいルールがあるため、始める際はファイナンシャルプランナーなど専門家に相談すると安心です。

※制度の限度額や税の取り扱いは個人の状況によって変わります。具体的な金額設計は金融の専門家に確認しましょう。

制度のある会社への転職を検討する

「積み立てる」以外に、退職金制度のある会社へ移るという選択肢もあります。長く働く前提であれば、退職金や企業年金のある環境に移ることで、将来の資金面の不安を減らせる可能性があります。転職を考える際は、給与だけでなく退職金・賞与・福利厚生を含めた総合的な待遇で比較しましょう。

今の給与水準で交渉する

すぐに動かない選択もあります。退職金がない分を、今の給与や賞与の見直しで補えないかを考える方法です。評価のタイミングで待遇について相談したり、昇給の基準を確認したりすることで、目の前の手取りを増やせる余地があるかもしれません。「積み立てる」「転職する」「交渉する」の3つを等価に並べ、自分の状況に合う組み合わせを選ぶことが大切です。

\退職金の有無だけで会社を決める前に、一度整理してみませんか/

退職金がない会社のメリットと注意点

退職金がないことには、デメリットだけでなくメリットもあります。両面を知っておくと、感情的に「やばい」と決めつけず、冷静に価値を判断できます。まずはメリットから見ていきましょう。

退職金がない会社のメリットとして、次のような点が挙げられます。

  • 退職金の原資が毎月の給与に回るため、今の手取りが高くなりやすい
  • 受け取ったお金を自分で運用でき、資金の流動性が高い
  • 短期間で転職しても、勤続年数による退職金の目減りを気にせずに済む

一方で、注意したいのが自己管理の負担です。退職金がない分、老後や将来に向けた資金は自分で計画的に準備する必要があります。会社が自動的に積み立ててくれる仕組みがないため、意識して備えないと、いざというときの資金が不足しかねません。メリットとデメリットは表裏一体で、どちらが重いかは働き方や価値観によって変わります。

退職金制度があっても「もらえない」ケースに注意

「退職金制度がある」と聞いて安心しても、条件によっては支給されないことがあります。制度の有無だけでなく、支給の条件まで確認しておくことが大切です。よくあるケースを整理します。

  • 勤続年数が支給の条件に届いていない(入社3年未満は対象外など)
  • 自己都合退職と会社都合退職で、支給額に差が設けられている
  • 懲戒解雇など、一定の事由で支給が制限される規定がある

これらの条件は、就業規則や退職金規程に書かれています。制度があるかどうかだけでなく、自分が支給の条件を満たせるのかまで確認しておくと、将来の見通しが立てやすくなります。求人票に「退職金あり」とあっても、細かい条件は入社前に質問して確かめておきましょう。

退職金がない会社へ転職・就職するとき確認したいこと

これから退職金がない会社への転職や就職を考えている場合、入社前に確認しておきたいポイントがあります。事前に押さえておくと、入社後に「思っていたのと違う」と感じるリスクを減らせます。次の点を意識してみてください。

  • 退職金がない代わりに、給与や賞与にどれだけ反映されているか
  • 企業型確定拠出年金(企業型DC)など、退職金に代わる制度があるか
  • その会社で身につくスキルや経験が、次のキャリアにつながるか
  • 自分がその会社に、どのくらいの期間いるつもりか

退職金の有無は、あくまで待遇を構成する要素の一つです。給与・賞与・スキル・働きやすさなど、他の条件とあわせて総合的に判断することが大切です。退職金がないことだけを理由に、条件の良い会社を候補から外してしまうのは、もったいないこともあります。逆に、退職金がある会社でも、他の条件が見合わなければ長く続けるのは難しいものです。

大切なのは、一つの条件にとらわれず、自分にとって何が優先かを整理しておくことです。優先順位が定まっていれば、退職金の有無も含めて、納得のいく選択がしやすくなります。

退職金以外にも目を向けたい会社の条件

退職金の有無に気を取られていると、他の大切な条件を見落としがちです。会社にとどまるか動くかを考えるときは、退職金以外の要素にも目を向けてみましょう。全体で見ることで、より納得のいく判断ができます。

  • 毎月の給与や賞与の水準と、今後の昇給の見込み
  • 働きやすさや休みの取りやすさといった環境面
  • 身につくスキルや、キャリアとしての成長機会
  • 企業年金や各種手当など、退職金以外の福利厚生

これらを合わせて見ることで、退職金がないことの重みが相対的に見えてきます。退職金は将来の一時的な資金ですが、給与や成長機会は毎日の働き方に直結します。どちらを重視するかは、あなたの年齢やライフプランによっても変わります。目の前の一つの条件だけでなく、長い目で見た働く価値の全体像を描くことが、後悔しない選択につながります。

退職金の判断に迷ったらcoacheeに相談してみる

ここまで見てきたように、退職金がない会社にとどまるかどうかは、月給・賞与・退職金・勤続前提を合算して考える必要があります。とはいえ、この合算を一人で組み立てるのは簡単ではありません。社内の人には利害があって聞きづらく、家族や友人には数字の判断まで踏み込みにくいものです。

coacheeは、キャリアに特化したスキルシェア型の相談プラットフォームです。転職・就職・現職の悩みまで、経験を積んだコーチに直接相談できます。「積み立てる」「転職する」「今の会社で交渉する」という選択肢を、利害のない第三者と一緒に並べて考えられるのが特徴です。単発のスポット相談から継続まで、自分のペースで選べます。

退職金の有無は、「違法か」でも「資産運用で埋まるか」でもなく、あなたにとってこの会社にいる価値の一部です。その全体像を整理したいときは、気軽に相談してみてください。

まとめ

退職金がない会社について、要点を整理します。

  • 退職金制度がない会社そのものは違法ではなく、4社に1社ほどは制度がない
  • 「やばいかどうか」は会社の属性ではなく、あと何年いるかで判断する
  • 対策は「積み立てる・転職する・交渉する」の3つを組み合わせて考える

退職金の有無に振り回されず、自分の残り年数と全体の待遇で判断することが、後悔しないキャリア選択につながります。一人で決めきれないときは、第三者の視点を借りながら整理していきましょう。

\あなたにとっての「この会社にいる価値」を一緒に整理します/

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