転職は何から始める?やると決める前の3ステップと、自己分析ができないときの代わりの順番

転職は何から始める?やると決める前の3ステップと、自己分析ができないときの代わりの順番

転職を考え始めたとき、「何から始めればいいのか分からない」というところで止まる人は少なくありません。調べると、やることリストや期間の目安が丁寧に並んでいます。ところが、どの記事もステップ1に「自己分析」や「キャリアの棚卸し」を置いていて、そこが書けないと先に進めない作りになっています。

さらに、並んでいるのはどれも「転職する」と決めた人向けの工程表です。まだやると決めていない段階では、工程表に乗る前の一手が分かりません。

この記事では、やると決める前に踏む3つのステップと、自己分析が書けないときに代わりに置ける順番を整理します。あわせて、その順番にどういう根拠があるのか、途中を飛ばすと何が起きるのかもまとめます。工程表を上から順にこなす話ではなく、最初の一歩をどこに置くかを決めるための記事です。

目次

転職は何から始めるべきか|やると決める前の3ステップ

先に全体像を置きます。応募や書類の前に、やると決める前の段階として踏めるステップは次の3つです。

  1. いま決まっていないことを分ける(辞めたいのか、いまの仕事を変えたいのか)
  2. どちらでも使える材料を1つだけ集める(求人を読む、人に話す、のどちらか)
  3. 決めない期間の終わりを自分で置く(いつまで保留にするかを先に決める)

3つのステップがなぜこの順番なのか

この順番の理由は単純です。1つ目を飛ばすと、2つ目で集めた材料をどう読んでいいか分からなくなります。求人を10件読んでも、自分が会社を変えたいのか仕事の内容を変えたいのかが決まっていないと、良さそうに見えるだけで終わります。

3つ目を置くのは、決めないままの時間が長引くことを防ぐためです。期限は外から来ないので、自分で置く以外に方法がありません。

やると決める前と決めた後で、やることは別物になる

よくあるつまずきは、決める前の段階にいるのに、決めた後の工程表を実行しようとすることです。書類を作り始めても手が止まるのは、能力の問題ではなく段階が合っていないだけです。

この記事の3ステップは、決めた後の工程表とは重なりません。終わってから、必要であれば工程表に入ります。

段階が合っているかを見分ける目印は、手が止まる場所です。求人を読むのは進むのに応募で止まるなら、まだ決める前の段階にいます。逆に、応募までは進むのに面接で言葉が出ないなら、決めたつもりで理由が整理されていない状態です。

転職活動の準備を始める前に確かめる「決めていないこと」

ステップ1を具体的に進めます。ここでやるのは、自分の希望を決めることではなく、何がまだ決まっていないのかを分けることです。

茶色の地図の上に置かれた丸いコンパス

辞めたいのか、いまの仕事の内容を変えたいのか

この2つは混ざりやすく、混ざったままだと打ち手が決まりません。会社を離れたいのであれば移る先を探す話になり、仕事の内容を変えたいのであれば、いまの会社のなかでも選べる道があります。

分け方は簡単で、「同じ会社で別の部署に移れるとしたら、それで足りるか」と自分に尋ねます。足りるなら内容の問題、足りないなら環境の問題です。

この問いに即答できないときは、もう1段下げます。いまの職場で変わってほしいものを3つだけ挙げて、そのうち部署が変われば解決するものに印をつけます。3つとも印がつかないなら環境の問題で、2つ以上に印がつくなら内容の問題が中心です。

ここを分けておくと、あとで求人を読むときの読み方が変わります。環境の問題なら業界や企業の規模を見ることになり、内容の問題なら職種の中身と任される範囲を見ることになります。見るところが違うので、先に決めておくほど無駄が減ります。

期間の目安を自分に当てはめる前に見ること

転職活動の期間は「2〜3か月」と書かれることが多いです。これは応募を始めてから内定までの目安で、やると決める前の時間は含まれていません。

決める前の期間は人によって幅があり、数週間で済むこともあれば半年かかることもあります。※目安の期間に遅れていると感じる必要はありません。測っている区間が違います。

自己分析ができないときに代わりに置く順番

ここがいちばん多い行き止まりです。ほとんどの記事がステップ1に自己分析を置いているので、それが書けないと最初から進めない感覚になります。

書き出せないのは、やり方が自分に合っていないだけ

自己分析が書けない理由はいくつかありますが、多いのは「問いが大きすぎる」ことです。「やりたいことは何か」から始めると、答えの単位が大きすぎて手が止まります。

単位を下げると書けるようになります。「先月の仕事で、終わったあとに疲れが残らなかったのはどれか」のように、期間と対象を絞った問いに変えます。

もう1つの理由は、スキルの棚卸しから入ろうとすることです。転職の準備というと、まず自分に何ができるかを数える作業を思い浮かべますが、できることを並べても、それをどこで使いたいのかは出てきません。できることより先に、やっていて負荷が低かったことを並べるほうが手が動きます。

人に1回話して言葉にするという代わりの手

書くのが向かない人は、話すほうが先に進みます。自分で書くときは整った言葉を探してしまいますが、人に向かって話すと、整わないまま出てきます。

相手は、答えを出す人でなくてかまいません。聞き返してくれる相手がいるだけで、自分が何を気にしているのかが輪郭を持ちます。これは情報収集の前段に置ける作業です。

\書けないまま止まっているときに/

最初の1枠は差し替えられる|4つの始め方から1つを選ぶ

「最初にやること」の枠は1つですが、そこに入るものは1種類ではありません。どれを入れても次に進めます。4つの候補を挙げます。

最初にやることの空いた1つの枠と、そこに入れられる4枚の札を並べた図
最初の枠に入るものは1種類ではなく、合わなければ差し替えられる
  1. 棚卸しから始める(書くのが向いている場合)
  2. 求人を眺めることから始める(外の条件を知ると自分の線が見える場合)
  3. 人に話すことから始める(書けない・考えがまとまらない場合)
  4. いまの仕事のなかで試すことから始める(辞めるかどうかが決まっていない場合)

4つのうちどれを選ぶかの決め方

選び方は、得意な入力の形で決めます。書くのが得意なら1、読むのが得意なら2、話すのが得意なら3、動いてから考えるほうが早いなら4です。

4つ目は見落とされやすい選択です。いまの職場で担当を1つ増やしてみる、別の部署の仕事を手伝ってみるといった形で、辞めずに確かめられる範囲があります。

どれを選んでも次に進める理由

4つはどれも、同じものを手元に残します。「自分が何を変えたいのか」についての材料です。入口が違うだけで、集まるものは共通しています。

そのため、1つやってみて合わなければ、別のものに差し替えて構いません。最初の枠に正解があるという前提を外すと、止まっていた時間が動き出します。

差し替えの目安は、1週間です。1週間やってみて材料が1つも増えていなければ、入口が合っていないと判断して別のものに移ります。同じ入口を粘るより、4つを順に試すほうが早く進みます。

順番を飛ばすと何が起きるか

やることリストには順番が書かれていますが、飛ばした場合に何が起きるかはあまり書かれていません。ここを知っておくと、順番を守る理由が分かります。

情報収集から始めて止まる場合

決めていないことを分けずに情報収集から入ると、集めた求人が比較できません。待遇も仕事の内容も違うものが並ぶので、どれが良いのかを決める軸がないままになります。

結果として、読む件数だけが増えて判断が進みません。止まったときは、集め方ではなく軸の側に戻ります。

応募から始めて消耗する場合

先に応募してしまうと、面接の場で「なぜこの会社なのか」を聞かれたときに答えが組み立てられません。準備不足というより、まだ決めていない段階で決めた人の質問に答えようとしているためです。

この状態が続くと、見送りが自分の評価そのものに見えてきます。順番を戻すだけで、同じ結果の受け取り方が変わります。

エージェントに登録してから止まる場合

登録を最初に置く人も多いです。登録そのものは進んだ感覚があるのですが、面談で希望条件を聞かれる段階で、決めていないことがそのまま表に出ます。

この場合、紹介される求人が自分の軸と合わないまま増えていきます。登録を悪手だと考える必要はなく、面談の場を「希望を伝える場」ではなく「決めていないことを言う場」として使えば、同じ時間が整理に使えます。

20代で転職を考え始めたときに決めておく順番

経験の年数が短い段階では、決められることと決められないことの線がはっきりしています。先に分けておくと、焦りが減ります。

日の出の光が差す丘陵地帯の未舗装の道

経験が浅いうちに決めやすいこと

決めやすいのは、働き方の条件のほうです。通勤にかけられる時間、働く時間帯、人と関わる量などは、経験が短くても自分の実感から言えます。

逆に決めにくいのは、長い目で見た方向です。これは数年かけて動くので、いまの段階で固めなくても差し支えありません。方向が決まっていないことは、転職を考えてはいけない理由にはなりません。

経験が浅い段階でとくに効くのは、いまの職場で得たもののうち「どこでも通じる部分」と「この会社だから成り立っている部分」を分けておくことです。前者は次の職場でもそのまま使えますが、後者は環境が変わると価値が変わります。分けておくと、求人を読むときの見方が落ち着きます。

焦って始めない条件

すぐに始めないほうがよいのは、辞めたい理由がその週の出来事だけで説明できるときです。1〜2週間置いて同じ気持ちが残るかを見ると、判断の材料が増えます。

※体調に影響が出ているときは、この限りではありません。置く時間よりも、負荷を下げることが先になります。

始めてから引き返す・保留するときの扱い

始めたあとに「いまではない」と判断することもあります。工程表には途中でやめる前提が書かれていないので、引き返すことが後退のように感じられますが、作業としては整理の続きです。

保留にするときは、集めた材料をそのまま残しておきます。読んだ求人、話した内容、書き出したものは、次に動くときの出発点になります。

あわせて、保留の終わりをもう一度置き直します。「決めない」と決めた状態は、決められない状態とは別のものです。前者は自分で選んだ状態なので、期限が来たときに同じ材料から考え直せます。

保留のあいだに1つだけやっておくなら、その時点の判断の理由をメモに残すことをおすすめします。数か月後に見返すと、当時の自分が何を重く見ていたかが分かります。気持ちは変わるので、変わったことに気づけるだけでも次の判断が楽になります。

最初の一歩を一人で決められないときの相談先

4つの始め方のうち「人に話す」を選びたいが、身近に話せる相手がいないという場合があります。職場の人には話しにくく、家族には心配をかけたくないという事情は多いものです。

coacheeは、キャリアに特化したスキルシェア型のプラットフォームです。転職するかどうかが決まっていない段階でも、整理の相手として単発で使えます。求人を紹介される前提の場ではないため、「まだ決めていない」と言ったまま終われます。

相談相手は経歴や得意分野を見てから選べます。自己分析が書けないという状態そのものを話の出発点にしても構いません。

話す前に用意しておくものは、整った説明ではなく「いま困っている場面」を1つだけです。どの場面で手が止まるのかが分かれば、そこから順番を組み直せます。準備が足りないと感じて先延ばしになりやすいところですが、準備が要らないのがこの段階の相談です。

まとめ|最初の枠に正解を置かない

転職を何から始めるかについて、押さえておきたいのは次の3点です。

  • やると決める前の段階には、決めた後の工程表とは別の3ステップがある
  • 自己分析が書けないときは、問いの単位を下げるか、人に話すほうに差し替えられる
  • 最初にやることは4つのうちどれでもよく、合わなければ差し替えて進められる

止まっているのは、順番を間違えたからではなく、入口が1つしかないと思っていたからです。枠は差し替えられますし、差し替えた回数が不利になることもありません。やると決めるのは、材料がそろってからで間に合います。

\まだ決めていない、から話し始めても大丈夫です/

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