キャリアプランが思いつかない場合の考え方|年代別の重視すべきポイント
キャリアプランは、理想の自分を実現するのに役立ちます。しかし、肝心なキャリアプランが思いつかないと悩んでいる方もいるはずです。
この記事では、キャリアプランの重要性と思い付かない理由、キャリアプランが思いつかない人向けの対策と考え方、年代別のキャリアプランで重視すべきポイントを紹介します。
高橋 秀誓
キャリアコンサルタント
coachee株式会社 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
プロティアン認定ファシリテーター
キャリア相談プラットフォーム『coachee(コーチー)』運営者
明治大学卒業後、リテール、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。
求人広告、人材紹介、人材派遣、SESにおける、ソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事。エグゼクティブ,Web,IT,SI.HRにおけるリクルーティング支援、キャリア形成支援を行う。
相談実績は3500人以上。
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キャリアプランはなぜ重要なのか
キャリアプランとは仕事における行動計画を意味します。キャリアを積んだ結果、どうなりたいかのキャリアビジョンを叶えるために、どんな努力や勉強が必要かをまとめたものです。
キャリアプランが重要なのは以下の3つの理由からです。
- キャリアにおける軸を持てる
- 働くモチベーションを上げられる
- 行動力が上がる
キャリアにおける軸を持てる
キャリアプランを立てることで、仕事における軸が定まります。プランを明確にしておけば、転職を検討するタイミングやスキルアップが必要なタイミングを適宜判断できるでしょう。軸を持っておくことで、目の前の状況に惑わされずに的確に目標を叶える行動を継続できます。
以上の点からも、キャリアプランを立てておくことはキャリアビジョンを叶えるために重要です。
働くモチベーションを上げられる
人は目的なくただ作業を続けることはできません。「この作業を、一生続けるんだろうか」などと考えると、仕事へのモチベーションが落ちてきます。反対にキャリアプランを明確にしておけば、今自分が何のために仕事をしているかがはっきりわかるため、モチベーションを保ちながら働けます。
行動力が上がる
キャリアプランを立てておくことで、行動力が上がります。人は理想や目標があっても、具体的な行動が思いついていないと「こうなったら良いな」と願望を抱くだけで、その理想を叶えられません。一方でキャリアプランを立てておけばその時自分が取るべき行動がわかるので、立ち止まることなく行動を続けられます。
以上の理由からキャリアプランは、キャリアにおける目標を叶えるために重要な行動計画だとわかります。
キャリアプランが思いつかない5つの理由
キャリアプランは重要だと理解していても、内容が思いつかないという人もいるでしょう。キャリアプランが思いつかない5つの理由を紹介します。
- キャリアで到達したいゴールが明確でない
- スモールゴールの設定ができていない
- キャリアゴールと現実の差が大きすぎる
- 自分を過小評価しすぎている
- 常に完璧を目指しすぎてしまう
キャリアで到達したいゴールが明確でない
キャリアプランが思いつかない人は、キャリアで到達したいゴール自体が明確になっていません。ゴールがないため、何のためにどんな行動をすれば良いかわからないのです。たとえば、キャリアゴールが「もっとお金をもらって、偉くなりたい」という曖昧なものだと、今どう努力して良いか見えてきづらいです。
一方で「この会社で課長になり、部署の業務改善という功績を立てて評価される」がゴールであれば、課長になるためにどんな努力が必要かアイデアが思い浮かぶはずです。キャリアで到達したいゴールが明確になっていない方はまずゴールを決め、逆算してキャリアプランを立てていきましょう。
スモールゴールの設定ができていない
明確なキャリアビジョンがあるが、行動計画が立てられていない人は、スモールゴールの設定ができていないかもしれません。スモールゴールとは、大きなゴールに対して定める過程での到達点のことです。
例えば、大手アパレル系の営業部長になるのがゴールの場合はまず、アパレル系の会社の営業部門へ転職します。その後結果を出してプレイヤーとして活躍し、マネジメントスキルをつけて実践、そのスキルを評価されて役職へ昇格というような流れがあるはずです。スモールゴールを意識することで、キャリアプランが明確になります。
キャリアゴールと現実の差が大きすぎる
キャリアゴールと現実に大きな差がありすぎることも、キャリアプランが思いつかない原因です。あまりに壮大なゴールを立てすぎると、具体的にそこに到達するイメージが持てません。例えば、今無職なのに社長になりたいというようなゴールでは、そもそも今働いていないのでどうすれば社長になれるかアクションが思いつかないでしょう。
キャリアゴールが壮大すぎる場合は理想を下げる必要はありませんが、現実的な範囲にゴールを設定して考える方法がおすすめです。例えば、今働いていない状態ならまず正社員になれる仕事を見つけ、役職を目指すなどゴールを現状に近付けることでキャリアプランを立てやすくなります。
自分を過小評価しすぎている
キャリアプランが思いつかない人は、自分を過小評価しているかもしれません。自己肯定感の低さから自信が持てず、失敗を恐れるあまり行動計画を立てるのが嫌になってしまいます。失敗するならやらなくて良いというようなネガティブになってしまうからです。
まずは自分のスキルを客観的に判断し、自己評価を見直しましょう。客観的に自分を見るのが難しい場合は、キャリア相談を使って第三者から経歴やスキルの評価を受けるのがおすすめです。
キャリア相談サービスについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
常に完璧を目指しすぎてしまう
完璧主義すぎることも、キャリアプランが思いつかない原因です。完璧主義すぎると理想を100%叶えなければならないと思い詰め、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」とアクションプランを立てすぎてしまいます。人は取るべき行動が多すぎると混乱してしまい、最終的に何から手をつけて良いかわからなくなってしまいます。
完璧主義が原因でキャリアプランを立てられない人は、優先順位を意識しましょう。優先度の低いアクションを切り捨て、必要な行動のみに集中することで、今すべき行動が見えてきます。優先すべき行動を選ぶのが難しいと感じたら、キャリアコーチングなどを利用して誰かに相談すると良いでしょう。
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キャリアプランが思いつかない方向けの対処法・考え方
キャリアプランが思いつかない方向けの対処法や考え方を紹介します。
- キャリアプランを達成してどうなりたいかをイメージする
- 過去の経験やスキルから自分が「できること」「したいこと」を考える
- キャリアのロールモデルを決める
- プロコーチにキャリアプランについて相談してみる
キャリアプランを達成してどうなりたいかをイメージする
キャリアプランが思いつかない方はまず、キャリアプランを達成してどうなりたいかイメージしましょう。キャリアビジョンを達成した際にどんな感情でいるか、その時自分の周りにどんな人がいるかなど解像度を上げてイメージしていきます。
キャリアプランを達成してどうなるかのイメージを固めるには、自問自答がおすすめです。
- 達成後の感情は?
- どんな仕事をしている?
- 誰と働いている?
- プライベートはどうなっている?
- 1日のルーティンは?
以上のように自問自答することで、キャリアプランを達成したあなたのイメージが明確になり、理想のセルフイメージを持てます。そのセルフイメージを参考にして、キャリアプランを決めていきましょう。
過去の経験やスキルから自分が「できること」「したいこと」を考える
キャリアプランが思いつかない人は、過去の経験やスキルについて深掘りしましょう。あなたができること、またはしたいことを考えてください。例えば、事務職についている方は基本的なパソコン操作やExcel、WordなどのOfficeソフトを扱えるはず。そのスキルを活用してできる仕事をイメージしましょう。
また、スキルとは別に「したいこと」も考えてみましょう。美容に興味がある方はコスメを製造する会社の事務職も目指せますし、新たにスキルを身につけてエステ系の会社で働くなどの選択肢があります。
キャリアのロールモデルを決める
キャリアプランのイメージが湧かない方は、キャリアのロールモデルを決めましょう。憧れの人を見つけ、その人のキャリアを参考にすればキャリアプランが決めやすいです。インフルエンサーや書籍の著者、著名人もキャリアの参考になります。
ロールモデルを決めたら、その人の経歴について調べて、どのようなキャリアを経ていまの地位についているか簡単な年表を作ってみましょう。そのキャリア経歴をあなたに置き換えることで、キャリアプランを立てられます。
プロコーチにキャリアプランについて相談してみる
キャリアプランを立てるのに役立つのが、キャリアコーチングです。キャリアコーチングとは、キャリア形成の専門家が相談者とマンツーマンで話し合い、キャリアビジョンやキャリアプランを立てるサポートをするサービスです。
キャリア形成のプロは、相談者の経歴や対話を通じてその人の適職や言語化できないキャリアの理想を見抜きます。あなた自身も気付いていないようなスキルを教えてくれ、理想のキャリアを築ける方向性をアドバイスしてくれるでしょう。
キャリアコーチングについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【年代別】キャリアプランで重視すべきポイント
20〜50代までの年代により、キャリアプランにおいて重視するポイントが変わります。
年代別にキャリアプランを考えるときに重要なことを説明します。
- 20代:5年後にどうなっていたいかイメージする
- 30代:ライフステージを考えてキャリアプランを立てる
- 40代:仕事上の価値観を軸にキャリアを考える
- 50代:自身の職場での役割を考えてみる
20代:5年後にどうなっていたいかイメージする
20代のキャリアプランで重要なポイントは、5年後にどうなっていたいかイメージすることです。20代は伸び代が大きい年代であり、キャリアプランの選択肢も豊富です。そのため、あまりに長期的なゴールを設けると、逆にキャリア形成に制限をかけることになります。
- 5年後にはいまの会社で係長になっていたい
- スキルを磨いて、5年後にはさらにランクアップした会社へ転職したい
- ずっと興味があった異業種で働いていたい
上記のようなゴールを目指すには今与えられた仕事を完璧にこなし、スキルアップを目指す必要があります。スキルアップのために、1年後にどんなスキルを身につけるかなどをキャリアプランに取り入れましょう。
30代:ライフステージを考えてキャリアプランを立てる
30代はライフステージが変化する時期でもあるため、仕事だけでなく人生設計を含めた計画をイメージするのがポイントです。恋人がいる人は数年以内に結婚や出産などのライフイベントが発生する可能性も高いです。そこで、30代は以下のようなポイントを考えてキャリアプランを考えましょう。
- 今の会社で更なるキャリアアップを目指す
- 転職しより良いポジションを手にいれる
- ライフワークバランスが取れる職場へ転職する
家族のためにより高収入を目指す、またはプライベートな時間が取れる労働環境が整った会社への転職を目指すのも良いでしょう。今まで培ったスキルを活かして、人生計画に沿った仕事ができる働き方をキャリアプランのポイントにしてみてください。
40代:仕事上の価値観を軸にキャリアを考える
40代の方は、社会人経験も豊富で充実度や価値観にあった働き方を目指すべき年代です。子育てもひと段落しており、余裕を持って人生を振り返る時間を取れる人も多いでしょう。40代の方が軸にするキャリアプランのポイントは、以下のようなものです。
- これまでの職歴で培った能力を活かした転職をする
- スキルを活かして独立する
- 家族とより過ごせる働き方を考える
これまでのキャリアや経験を振り返りましょう。そのうえで、自分が人生や仕事において重視してきた価値観を軸にしたキャリアプランを立ててください。
50代:自身の職場での役割を考えてみる
50代の方は、職場によっては定年まであと10年程度と社会人生活の最終フェーズに差し掛かる年代です。キャリアプランにおいて考えるべきは、自分が職場でどのような役割を担っているかです。
- 専門性の高さを活かして再就職する
- これまで挑戦できなかった独立に挑戦する
- 今の職場で若手を育成する役割を担い続ける
職場で専門性の高さから頼られている方は、その知識を活かした再就職も可能です。また、そのスキルで独立するのも選択肢の1つと言えます。また、今の職場で若手育成を任せられている場合は、会社に残って若手を育てる役割を果たし続けるのも選択肢の1つです。
キャリアプランが思いつかない方はプロに相談してみましょう
キャリアプランはキャリアゴールを達成するための行動計画です。行動計画をもとに目標に向かって努力を続けることで、理想の自分を実現できます。しかし、キャリアプランが明確にならず悩んでいる人もいるはずです。そんな時は、記事で紹介したキャリアプランの考え方を参考にして、ゴールから逆算するようにキャリアプランを立てましょう。
どうしてもキャリアプランが思いつかない方は、キャリアコーチに相談するのもおすすめです。『Coachee(コーチー)』のような単発相談が可能なサービスなら、キャリアプランの策定のみなど限定的な範囲で相談できます。
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